「木材の追跡可能」から生まれる価値 香山由人さんインタビュー vol.1

こんにちは。スタッフの池田です。

 

先日、私たちの森の先生である

香山由人さん(プロフィールは下記に)へ

木材のトレーサビリティについてお話を聞きました。

 

松葉屋通信44号に一部を掲載しましたが

掲載しきれなかった部分がたくさんあります。

 

そのお話も、地元の木材を使うことのヒントがたくさん散りばめられていて

みなさんにも読んでいただきたい内容なので

これから連載という形で、ご紹介します。

 

まずは、松葉屋通信44号に掲載した内容を

どうぞご覧ください。

 

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「木材が追跡可能なこと」から生まれる価値

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長野県大町市を拠点に、木材製品企画や森林林業コンサルを行う

「(株)山川草木」代表の

香山由人さんに訊ねてみました。

 

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(株)山川草木代表

香山由人さん

神奈川県出身 海外NGO、国会議員秘書を経て八坂村で山暮らしをはじめる。
木こり歴約30年。
長野県指導林業士、
信州フォレストコンダクター

山仕事創造舎前代表

現在、(株)山川草木代表

 

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善吾郎(以下 善):松葉屋は地元産材を森から伐採し製材、乾燥からはじまる
追跡できる」家具製作、活動を進めています。
では地元産材を使うことのメリットはどこにあるのか。
僕らの利益だけでなく、みんなが良くなることを考えるべきです。
まず、購入いただくお客さまはもちろん、
それから山主さん、林業に従事されてる方たち、
中に入る木材センターさんの方とか、僕たちがやってること、
追跡可能なものを作ることには意味があるのかを、
率直にお聞きしたいと思います。

 

香山:購入する側にとって、家具であれ製品、住宅であれ
出来上がったものの価値を考えると、どこの産地であるかはあまり関係ない。
要するに、機能があればいい。
この木のどこがいいかということよりも、
目的に合う製品に出来上がっていれば、
どこで誰が関わってきた木であるかって、
あまり関係ないのが現状ですよね。

 

 

自然資源と暮らしの関係性

ただ、実際木も全部生き物ですから、
もともと「どこかの山で生きてきた」事実があります。
それを切り出して、使っているということ。
例えばこのテーブルはもともと生きてたものなんだという、
その理解があれば少し判断基準が変わってくるんじゃないかなって気はするんです。

すると、「どこでどうやって生きてたんだろう」ってことや、
その山で生きていた命が、ちゃんと世代を超えて
続いていくのかどうかっていうことが、
当然気になってくると思うんですよね。

切った木を使うということは、環境を壊して切り出してきてる。
木だけじゃないですね。自然から得られないマテリアルってないんです。
鉄だってウランだって、全部自然から取ってきてるけど、
それを取り出すことで、もともとの環境を著しく変えてしまって、
周りの人が生活できないとか、森林資源であれば森林自体がなくなってしまうとか、
ずっと起こってきた。

森林は生き物なので、単独で成り立ってるわけではなくて、
環境の一番の最上流の部分だから、
私たちの今の生活に全部つながってることをまずしっかり理解する。
そしたら、その仕組みを壊さない、
その仕組みをもっと豊かにするような使い方ができたらというところに、
すこしずつ気持ちが向いていくのかと思う。

 

木材の見立て

例えば、吉野杉とか秋田杉とかの銘木で作った天井板ですって自慢する、
どこかの有名産地の木だからいいだろうっていう木材の世界がずっとあったんです。
それだと、じゃあ秋田の山がどうなってるかってことはあまり気にならないんですよね。

実際に木を切り出した山がどうなってるのか。
あるいは、そこにかかわってた人たちが
どういうことになってるんだろうかっていうところまで思いがいけば、
そこで初めて、現代的な意味でのトレーサビリティっていうのかな、
価値が発見されるんじゃないかと思うんです。

 

善:吉野杉など銘木の世界では、材を見て「美しい杢」を基準に、
AからDランクをつけられて利用、活用を振り分けられていく。
一方で目の前にある材料を使うという観点で言うと、
お客さまにとっての選ぶ基準は杢や木目だけではないということになります。

 

香山:特に今までの銘木の世界っていうのは、
産出された中から良材を選んでいく、そういう価値観だったと思います。

銘木といわれるにはちゃんと理由があって、
(広葉樹の杢っていうのは天然林だからないんだけど)例えば、
杉とかヒノキとかって、人工林として何百年もやってきている世界ですよね。
吉野がブランドになったのは、吉野ならではの木の育て方、
何百年も伝承されてきた技があってこそ。
その結果としての吉野杉ってことなんですよね。

 

 

生産者がわかる木材

広葉樹、その他の種類の木に関しても、
そもそもどういう考え方で作ってきたのかっていう情報も
ちょっとずつ入ってきてる。
店で購入する時に、いずれ、どんな山で誰がどうやって作ってきたのかと、
かかわってきた人も見えるようになってくる。

 

ただ、まだ一歩踏み入れたばかりで…。
ワインとかコーヒーに例えると、ワインも昔は何も知らないから、
フランスのボルドーの何だか知らない銘柄のものを、
高いワインはおいしいって思ったじゃないですか。

 

今はそうじゃなくて、どこどこの誰々さんが作ってるブドウで、
どうやって作られているワインだってことが、
この十数年であたり前になってきている。
かつそういうトレーサビリティ的な要素だけじゃなくて、
そのワイン自体がほかのワインと比較しても圧倒的においしいですしね。
ワインとかコーヒーの世界でそのようになってきたように、木材もこれから、
そうなるんだろうなとは思ってます。

 

未来へつなぐ

 

豊かな暮らしのために

価値観として、「どんなところで生きてた木なんだろう」、
「どんな人がかかわっていたんだろう」という、
そこを知りたいっていう感覚が今はすごく高まっている。

もともとは食べ物から広まって、単においしいかおいしくないかっていうだけでない。
むしろ、食べ物にしたって、一瞬そのときおいしいっていうよりも、
全体として食べて良かったなって思うためには、
もっといろんなことがあったほうがいいとみんな感じるようになっている。
誰かがそれで悲しい思いをして生産してるものだったら、
その瞬間おいしくても、やっぱりあんまり幸せじゃないわけでしょ。

 

そういうことが食べ物の世界からまず広がってきて、
これからは木材についても同じような価値観が出てきているのを感じています。
林業にかかわる人たちが悲しい思いをしないで、ちゃんとした仕事をしてる。
しかも切り出している山が、禿山のメガソーラーにならないで、
その人たちがかかわってくれているおかげで、ちゃんとまた豊かな森林に育っていく。

善:若い人たちの林業への就業が、年々増えているようですしね。

香山:森林はただ木が生えてるわけではないです。
いろんな生き物がいて、いろんな環境をつくっている。
そういう理解も広まってるから、そういうところに、
例えば、テーブルを使うことでかかわっていけるって思えると、
そのほうが暮らしや生活が豊かになるって話をしたら、
今は共感してもらえると思うんですよね。 

 

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続きはこちら

「木材の追跡可能」から生まれる価値 香山由人さんインタビュー vol.2

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