どんな天然染料?ほんとにイランの手織り?「ギャッベのQ&A」

こんばんは。松葉屋店主・善五郎です。

これまでにお客様から寄せられた数多くの悩みやお手入れの質問。
それにお答えしてきた「ギャッベのQ&A」をお届けします。

今回は、そもそも
「松葉屋のアートギャッベって?」「どんな天然染料を使っているの?」
「ほんとにイランの手織り?」など素朴な疑問にお答えしていきます。

 

ちなみに

ブログを読まれてるみなさまにも、
またギャッベをすでにお持ちの方でも、
ギャッベのことで、何か心配事があったら、
いつでも、読み返せるように、
これまで寄せられたお客様からの悩みにお答えする
「ギャッベの悩みQ&A」をご紹介していきます。

松葉屋では修理やクリーニングのご依頼もお受けしています。
イラン人のゴルバンさんが営む絨毯専門のリペアは本当にこころ強い。

「こんなにキレイになるの!?」と驚くような仕上がり。
今までに松葉屋に寄せられたご相談の中からお客様に許可をいただき、 お直しとクリーニングした事例をご紹介してきました
「何があっても大丈夫」と、安心していただけます。

ブログカテゴリーから「ギャッベのQ&A」を選択していただくと、
ギャッベの困りごとや修理のことなどをすべて閲覧いただけます。

困ったことほど突然おきるので、
あっと困ったら、参考にしていただき、
それでも不安であれば、松葉屋にお電話くださいね。

たて込んでしまうこともあるので、すぐにでもという気持ちはありますが、
順次ご対応させていただきます。

 

 

Q:ギャッベってなんですか?

A:イラン南西部シーラーズに生活する遊牧民、カシュガイ族の織り子さんが、天然素材の羊毛を使い手作業で織りあげた伝統的なじゅうたんのことです。織り子さんの豊かな感性が、一枚いちまいに表現された、アート作品として、私たちはこれまでに、名前をつけてご紹介してきました。
近年は模造品などもあるようですが、私たちは専任の選定人が、現地イランで1万枚以上の中から特別に松葉屋のために選んでくれたゾランヴァリ社ギャッベを、宝石の原石を掘り起こすように探して、お届けしています。

Q:ゾランヴァリ社ってなんですか?

ギャッベが世界に知られたのが1970年代。その後、欧米にギャッベの一大ブームを起こしたのが「ゾラ ンヴァリ社」です。ヨーロッパでギャッベといえば、「ゾランヴァリ社」。品質も仕立てもデザイン性も、織り子さんとのかかわり方も、すべてにおいて無理がなく、上質でこの上ないものづくりであることを世界が認めています。
今日本にたくさんの会社からギャッベが入荷される中で、ゾランヴァリ社は、全体のわずか10%ほど。なぜならゾランヴァリのギャッベを日本に持ってこれる人は限られていて、わずか 2〜 3 人だからです。その選定人が日本人の好む色柄、上質な毛のものを選びぬき、2000枚ほどを年に二度、買い付けをしてきます。私たちはその中から、より松葉屋らしいセレクトをしているので、(表情のある色だったり、ストーリーのある風景だったり、洗練されたデザインだったり…。)おそらく日本中をさがしても、 どこにもないギャッベが、松葉屋にあつまっていると思います。

▲選定人の波多野さん。ゾランヴァリ社の倉庫に入れるのは、限られた人たちだけで、 私(善五郎)も、まだ入ることが許されていないのです。 ただし、私たちは松葉屋でお客様に届けることにあれやこれやと想いをめぐらせて、 ギャッベの魅力を伝えたり、冊子をお届けしたり、お店をきれいにしたりとできることをやって、 そんな私たちの想像していることや想っていることに応えようとしてくれる波多野さんがいて、 お互いによい関係で松葉屋のギャッベを選定できています。とてもよい間柄です。

 

Q:素材の羊毛(ウール)の特徴は?

羊毛(ウール)とひとことでいっても、品質は様々です。高地帯から低地の雑種まで、多くの種類が生息しています。 そのなかの2,500〜3,000m級の高地に育つ羊(マウンテンヒル種)は、高地特有の乾燥に加えて、寒暖の差が激しい過酷な環境で生活しています。必然的に身の保護のため、毛のキメが細かい長毛・直毛・多脂分となります。その毛にはウールグリース「ラノリン」という油分がたっぷり含まれていて、ゾランヴァリ社のギャッベでは、それをほとんど脱脂せず使っています。

昼と夜の寒暖の差が、時に30°C以上あるきびしい場所の羊の毛は、体を守るため自然の調温・調湿効果をもたなくてはなりません。ですから、真夏の暑いときにはサラっとして、寒い冬にはふかふかと、レ夏には冷気を、冬には暖気を取り込んでくれるので、一年中気候風土にあった心地よさを与えてくれます。

Q:染料はどんなものですか?

毛糸は山で自生する植物などから、いろいろな色に染められます。昔はそれぞれの遊牧テントで染めていましたが、需要が増え、安定した品質のギャッベを供給するために、今ではゾランヴァリの染め工場で、まとめて染められています。各 家庭からあつめられた毛糸は、工場で選別され、等級ごとに保管されます。 そして48時間、大釜で染めます。何世代も受け継がれてきた職人の経験と勘が、ギャッベの宝石のように美しい、透明感ある色の決め手です。

さらに最近では、ゾランヴァリ社で、新しい色や天然素材の染料を開発するなど、少しずつ新たなギャベも生まれてきているようです。松葉屋の春と秋のギャッベ展のために、選定人の波多野さんがイランを訪れていますが、真新しい色との出会いも珍しくないそうです。

 

ちなみに、ギャッベは基本色が5色。
力強く明朗なターコイズグリーンは、インディゴでしっかりブルーに染めた羊毛を、近くのザクロス山脈の灌木からとれる黄色の染料で、たっぷり一昼夜染めたもの。
深く鮮やかな赤は、茜といろんな染料をミックスして2度染めしたもの。高価なのであまり使われませんが、コチニール(カイガラムシ)が使用されることもあります。
チョ コレートブラウンは、クルミの外皮から。
金色のような黄色は、ザクロの皮やカレーの香辛料で知られるターメリックから。
青色はインディゴ染料を使い、深い紺は染めを繰り返します。

染めた毛糸は十分すすぎ洗いし、 日干しされ、再び遊牧テントへもどります。
ヨーロッパでは、はっきりした色彩が好まれることもあり、一部化学染料で染められたギャッベもありますが、松葉屋では、草木染めのやさしく美しい自然な色合いのギャッベを選んでいます。

 

Q:ほんとうに手織りですか?

今でも伝統が守られていて、家族で手織りの技術を受け継がれています。
詳しくは、イラン選定人の波多野さんの最新インタビューに、イランの現状を紹介していますので、
こちらもぜひご覧になってみてください。

 


「そのほかもQ&Aも知りたい」という方には

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困ったことほど突然おきるので、
あっと困ったら、参考にしていただき、
それでも不安であれば、松葉屋にお電話くださいね。


大地と空、火と草色のじゅうたん

『ゾランヴァリ・アートギャッベ展』

2019年9月14日(土)~29日(日) 10:00~19:00

*会期中、9/19(木)と9/25(水)はおやすみをいただきます

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