
ギャッベは、チクチクするのか。
松葉屋が選ぶギャッベは、チクチクしません。
チクチクするものは、選ばない。
それが、選ぶときの大前提です。
遊び毛は、出ます。
手で紡いだ毛だから、使いはじめは、どうしても。
早ければ三か月、遅くとも半年ほどで、だんだん落ち着いてきます。
善光寺の表参道で家具店をしている、松葉屋家具店の九代目、滝澤善五郎です。
2007年の秋から、春と秋にギャッベ展を開いてきました。
「ギャッベがチクチクする」
「何年たっても、遊び毛が収まらない」
そんな声を聞くことがあります。
お店でお答えしていることを、書いておきます。
チクチクするギャッベは、選ばない

松葉屋のギャッベは、佳子と僕が、一枚一枚選んでいます。
チクチクするものは、選びません。
ギャッベの羊は、イランのザグロスの山の、標高二千五百メートルから三千メートルほどのところで暮らしています。
寒さと暑さから体を守るために、毛はきめが細かく、長く、油をたっぷり含んでいる。
その羊の油(ラノリン)を、ほとんど抜かずに使うので、しっとりしています。
「ウールなのにチクチクした感じがなくて、とても『しっとり』しているのに驚きました」
2014年に、長野市のお客様が話してくださいました(インタビュー)。
「チクチクするかと心配しました。結局3回ぐらい通って心配事を確認。結果、大丈夫でしたね」
こちらは2023年、長野市のご夫婦です(インタビュー)。
遊び毛(抜け毛)は、手で紡いだ毛だから出る
ギャッベの毛糸は、遊牧民が手で紡いだものです。
長い毛を主に紡ぎますが、短い毛も一緒に紡がれます。
仕上げでは、表の毛を刈りそろえます。
使いはじめは、その短い毛や、刈り込んだあとに残った毛が、遊び毛になって表に出てきます。
手で紡いだものなので、初めのうちは、どうしても仕方がないところがあります。
「小さい毛が多いため、服についてしまいます。対処法を教えてください」
お客様からのお便りに、こんなご質問をいただいたこともあります(お便り)。
お答えは、この下に書いたことと同じです。ゆるく掃除機をかけながら使っていくと、だんだん収まります。
三か月、遅くとも半年で落ち着く
使いながら、掃除機をかけているうちに、早ければ三か月、遅くとも半年ほどで、だんだん収まっていきます。
お店では、そうお答えしています。
子羊の毛や、胸元のやわらかい毛で織ったものは、もう少し時間がかかることもあります。
「まだ遊び毛がたくさん出るわが家のギャッベですが、なんとなく座り心地もよくなっている気がして、育てているような感覚がたのしいです」
お客様から届いたお便りの一節です(お便り)。
掃除機は、強くかけない
掃除機は「弱」で、さっと。毛並みに沿って。
チクチクしない毛は、やわらかくて、撚りもゆるいことがあります。
強い掃除機で吸うと、遊び毛ではない、良い毛まで吸い取ってしまうことがあるからです。
回転ブラシの掃除機は、毛を抜き取ってしまうので、使わないでください。
「何年たっても、遊び毛が収まらない」というときは、掃除機の強さと、回転ブラシを、一度見直してみてください。
飛び出た長い毛は、切りそろえる
引っぱっても抜けない長い毛が、ぴょんと飛び出ていることがあります。
これは遊び毛ではなく、織り子さんが切り忘れた毛です。
そのままでも大丈夫。気になるなら、抜かずに、はさみで、まわりの毛と同じ長さに切りそろえてください。
遊び毛のあとに残るもの

短い毛が抜けると、ふっくらした厚みは、少しずつ減っていきます。
でも、しっかり紡がれた丈夫な長い毛が残って、つやのある、しなやかな、シルクのような絨毯に育っていきます。
僕の家で二十年使っている、幅百二十センチの薄黄色のギャッベも、本当にしなやかになりました(ギャッベは日焼けする?)。
手入れのことは、ギャッベは一年中使ってください ―― 手入れ・クリーニング・修理のこと に書きました。
店で、さわってみてください
チクチクするかどうかは、さわれば分かります。
店に敷いてあるギャッベに、手のひらで、素足で、さわってみてください。
長野市大門町45、善光寺の表参道。定休日は火曜と水曜です。

