2017年から始めた「森の中にまちがある。一歩」は、
松葉屋が掲げる「100年後、善光寺界隈を森にする家具屋」という
夢から生まれたプロジェクトです。
かつて松葉屋のとなりにあった画材屋さんが店を閉じたとき、
裏の倉庫が空き地になりました。
長野は山が近くて自然が豊富なのに、街なかには緑が圧倒的に少ない! と
思っていましたが、このとき「この空き地にちいさな森をつくろう」と思い立ち、
33本の広葉樹を植えてみました。
「森の中にまちがある」と願いを込めてはじめたちいさな一歩ですが、
植樹してから6年近くの歳月が過ぎて、木々はびっくりするくらい成長しています。
四季折々の豊かな自然は私たちに安らぎを与えるだけでなく、
野鳥たちがエサを求めたり、ひとやすみしに訪れる憩いの森になりつつあります。
その代わりヤブ蚊もすごいですけどね。
ちいさいとはいえ“森”ですから、自然の循環をめざしています。
いずれは私たちの思いに共感する人がひとり、ふたりと増えていき
ちょっと空き地があったら一本の木を植えていく。
そのちいさな行動がたくさん集まっていけば、
100年後の善光寺界隈は大きくて、こんもりとした鎮守の森となって
その中に善光寺やお店、会社があり、人々の暮らしが営まれていく—。
そんな妄想空想を描いているんです。
同じように森づくりに関心や使命を持ち、さまざまな活動をしている
人たちを知りました。
坂本龍一さんが創立した森林保全団体「more trees」。
“都市と森をつなぐ”をキーワードに、地域と協働しながら森林保全を行い、
国産材を活用した商品やサービスの開発なども行なっているそうです。
また最近、話題かつ注視されている東京・明治神宮外苑地区の再開発にも
坂本さんは声をあげていましたが、つい先日
「 坂本龍一と神宮外苑を心配する」というWEBサイトが公開されていました。
みなさん、ご覧になりましたか?
日本は人口減少が倍化速度的に進み、歯止めが効かない時期に差しかかっています。
かつての日本の姿を基準に“にぎわいを創造”しようとしていないでしょうか。
もちろんすべてを伐採するのではなく、移植もするという話しですが
壊してまで再開発することが本当に良いことなのか、考えています。
私たち松葉屋も、長野・善光寺界隈において
街なかの森づくりを一歩ずつすすめていくつもりです。
次回から少しずつその歩みを紹介していきますね。