インタビュー「ギャッベ108の暮らし」長野市Mさん(1)

松葉屋がお届けしている冊子「ギャッベ 108の暮らし」では、
松葉屋のギャッベを購入してくださったお客さまのもとに伺い、
お聞きしたインタビュー記事をご紹介しています。

今回は2022年秋冬号に掲載した長野市Mさんのインタビューをふり返ります。

初めて洗面所用にと松葉屋のギャッベを選ばれてからわずか3カ月ほどで
キッチン、応接間、リビング用にも購入してくださいました。

Mさんご夫妻が松葉屋のギャッベをお好きな理由は、どんなところでしょうか。
今回は4回にわけてお届けします。どうぞお楽しみください。

お祭りで出かけたときに見かけたギャッベ 松葉屋との出合いは偶然、だけど必然だった

佳子 松葉屋を知ったきっかけを教えてください。

ご主人 お祭りに出かけたときに松葉屋さんの前を通りかかったんです。窓越しに青いギャッベが掛かっているのを見て「あれ、ギャッベじゃない?」と気づいて立ち寄ってみました。そのときに「キッチンマットにギャッベみたいなのがあるといいね」と話した流れで、2階に展示しているギャッベを見せてもらってたんです。
最初に見たときは「線が曲がってるしおかしいね」なんて言いながら、あれでもない、これでもないと思っていたんです。ところがひと通り見終えて階段を降りたところに、洗面所に良さそうなギャッベがあるのを見つけたんです。
実はその日の午前中、よそで買っちゃったんですよ。でもこっちのほうが絶対いいよねって2人で話しながら帰って、試しに寸法を測ってみたらそのギャッベがぴったりだったんです。こうして初めて、松葉屋さんのギャッベを購入しました。
その次はキッチンに敷くギャッベです。松葉屋さんで最初に見たときに何じゃこれって感じた模様や柄が、帰ってからふり返るとどうしても気になって。きれいなグラデーションやパッチワークのものもあったんですが、曲がっているとか絵が抜けてるとか、真っすぐだったのに最後だけ斜めになってる線とか。そういう手仕事らしい部分に心を惹かれるようになっていきました。

佳子 きっと本当は、最初から気になってたんでしょうね。

奥さま 真っ先に頭に浮かぶのは、あれだよねって。

ご主人 肌触りがまたいいんです。シルクのようにとてもきれいで、日差しの加減で光って見えたんです。

佳子 ギャッベの魅力は、じわじわと来ますよね。

ご主人 それで寸法を測って、同じ大きさの白い紙を敷いてみたんだよね。

奥さま それで、これにしようって決めたんです。

生活の一部として感じられた “住まいのギャッベ”

ご主人 私は二十数年、建築家として設計に携わっています。プランニングが進んで色や素材を決めていく中で床について話すとき、寿命が長くて一生使える、冬でも使えるといった考え方のもと設計をしてきました。実際にわが家の和室は琉球畳にしています。畳自体が最高の仕上げをされているので、そのまま使うのが一番だという考えを持っていました。
ところがある日、遊びに来た姪が座椅子で寝転んでいるときに畳に傷が付いてしまったんです。こんなことで傷になるんじゃまずいな、何か敷かなきゃいけないなと考えるように。それで畳の生活を守るための手段として最初に選んだのが、パキスタンの絨毯でした。素材がウールということにも驚きましたが、夏でも使えるし、掃除も楽だと聞いて使い始めたんです。

佳子 ウールって、冬に使うものだと思いがちですよね。

ご主人 そう思ってた。最初こそ傷の保護として使い始めて、真夏は果たしてどうだろうと思っていたら敷きっぱなしで過ごせたんです。肌触りも良くてね。設計者として、私が最高の仕上げだと設えた琉球畳の上に何か置くのは邪道と思っていたけれど、それが間違いとというか建築家のエゴだったのかもしれないと気付かされました。
こうして数年間パキスタン絨毯を使っていましたが、機械的に織られた柄が少しうるさくも感じるようになって。その点ギャッベは素朴な風合いがいいなと感じられました。
さらに生活の一部としてギャッベを考えてみると「住まいとギャッベ」じゃなくて「住まいの中にギャッベがある」。つまり「住まいのギャッベ」みたいな位置付けになってきたんです。私たちの残りの人生を考えたら、いち早くギャッベを迎えたいと思うようになりました。

奥さま それで松葉屋さんの奥の蔵に敷いてあった大きなギャッベがいい感じだったねという話しになって、もう一度見に行くことにしたんです。

ご主人 もう一つはパキスタン絨毯は非常に柔らかくて毛が短いけれど、目を詰んでる。一方のギャッベは荒くてざっくりとした手作りの良さがあって、チクチクするかと心配しました。結局3回ぐらい通って心配事を確認。結果、大丈夫でしたね。

佳子 そうなんです。パキスタンやペルシャ絨毯と比べて、ゾランヴァリのギャッベは糸は太いのですが、上質なウールを使っているのでしっとりとすべらかなんです。

奥さま 私はそれまでは座椅子で昼寝をしていましたが、今はごろって横になれるのが嬉しいです。

ご主人 ちょっと横になれば? と声をかけて、少し経つと寝息を立てている。じゃあ、しばらく静かにしとこうってね。

佳子 すごい。

ご主人 そういえば昨日は冷えたじゃないですか。畳に触れると冷たいけれど、ギャッベは暖かいんですよ。肌触りも非常にいいし、これは良かったよね。

佳子 それは実感いただけてよかったです。ギャッベ自体が17度を保っているので寒いときには暖かく、暑いときにはひんやりできることを皆さんには常々お伝えしているんです。でも店頭で見ただけではわからないようで。それを体感してくださったんですね。

奥さま 気温によって暖かく感じたり、涼しく感じたりと不思議だったね。ほんとに実感しました。

〈次回につづく〉

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