松葉屋通信Vol.35 インタビューの続きを少し

こんにちは、スタッフの池田です。

今回の松葉屋通信は

善光寺白蓮坊の住職でもあり、画家の若麻績さんへのインタビューと
昨年、スタッフみんなで半年間かけて行った「金継」の総集編を
まとめました。

全8ページ。
インタビューは特に読み応えのあるものになりました。

でもそれはほんの一部にしか過ぎず
3時間お話しいただいたので、カットしたところの方が多いくらいです。

全体を通して
仏教とは、という話ばかりではなくて
比較としてキリスト教の考え方や
昔と今の人の考え方の違いの中での
若麻績さんの解釈や、ものの考え方についてお話ししてくださったり
日常的に宗教に触れていなくても
分かり易いように、例え話を交えてお話ししてくださいました。

松葉屋家具店 松葉屋通信35号
若麻績さんのお話の中で
私が「ああ、そうだったのか」と
ピンと来たことがあったので
そこのお話を一部、ここで紹介したいと思います。

ちょっと長いので、お時間のある時にでも

・・・・・・・・・・・

若麻績さん:一木造りの仏像の話と重なりますけど、素材として材としてつくったものと明らかに違うエネルギーがあって。
東日本大震災の後に、高田松原の松で一木造りでお地蔵さんを造ってもらったんですよ、学生に。
高田松原に生えていた木が7万本あって、1本だけ残って、それは今でも残されているんだけど、
流された木がごろごろしていたの。それが堆く積まれていて、
それを何かに使いたいという事で仏像を造ろうということになって、造ってもらったんだよね。
それで震災の一周忌までの間につくってもらって
陸前高田の人たちにノミを入れてもらって、4体つくったんですね。
3体は陸前高田に置いて1体は善光寺に置いてあるんだけど。
陸前高田の人たちにある程度できたところで見に来てもらったりして。
とってもゆったりした良い表情をしていてね、1周忌の時に奉納して、親子の像でお父さんお母さんこども2人。
お父さんだけ善光寺に出稼ぎできていて。
津波で流された木が、そこで木の命が終わったわけだけど、お地蔵さんとして生まれ変わって仏様として帰って来たイメージで。
家族としてつくりたくて、こどもを亡くした人はこどもの姿を投影できるように、
お父さんお母さんを亡くした人は投影できるようにってつくってもらったんですよね。
本当にそうしたら、最初はお父さんお母さんっていう名前は無かったし、
こども男の子と女の子は無かったんだけど、自然とついて、
回向院で出開帳やった時に、こどもを1体お借りしたいんだけどと陸前高田にお願いしたらどちらですか?男の子ですか女の子ですか?って聞かれてね。
差があるんですか?って。
「あるんですよ」とか言って。
それで、男の子はいずれどっかに行く機会があるかもしれないから、
ぜひ女の子を連れて行ってくださいって。女の子はすごく可愛らしい顔をしていて、優しくていい像なんですね。
両国の回向院さんで出開帳やった時に、ここにお地蔵さんを置いて
全壊してしまったお寺のご本尊は秘仏だったんだけど見つかってそれを修復して
この観音菩薩も発見されてね、それで展示をするっていう時に
この後にある絵が千住君(千住博)の滝の絵なんですね。
回向院さんがここに滝の絵を欲しいからって入れたんだけど、さて考えてみたら滝の絵の前に津波で流された仏像を置いていいのかなって考えちゃって、どうしようかなって。
津波を想像してしまうので。
これは現地の人に聞いてみるしかないって。
それで、現地の人に一枚のパネルを見せて実は予定している部屋の仏像の裏にはこの滝の絵が来るんです、我々としては滝の絵が津波をイメージするんじゃないかと思って皆さんに聞いてみないといけないと思ったんです。と言って、
聞いた方は材木屋さんと木こりさんなんだけど、うーんって言った後にね
ぜひこの前に置いてほしいって。言われて。
確かに津波は痛いめにあって恨みを持つ感情もあるけれど、水を恨んでいるわけではないんだと
水は全てのモノを育んでくれるものだから、山に降って我々に恵みをもたらしてくれるものだから、ぜひこの前に置いてくださいって。
木こりさんや木に関わる人だから自然に近いところにいるわけで、すごくそこの理解が早かったんですね。
我々の中にはそれはまずいって言った方もいたんですよね、ぱっと考えてね、まずいだろうって。

善五郎さん:普通に考えたらそこは連想してしまいますよね。

若麻績さん:両義的な物事をちゃんと理解して、水の素晴らしさをちゃんと理解している感覚が、ありましたね。
このお地蔵さん、善光寺で見れるので素晴らしいからぜひ見てください。

・・・・・・・・・・・

震災の後に身近な善光寺で
行われていた出来事を知らなかったこともあり
この両義的なものの見方という話が
とても心に残りました。

ぱっと見はまずいのでは、という考えも
本質的なものを理解して
それぞれの立場や気持になったり、寄りそい
その上で判断することが大切なんだと。

なんだかとても思いやりの深い話を聞いた気がしました。

判断が正しいかどうかは
人により解釈は様々かもしれませんが
本質をきちんと理解することは

宗教的な話を抜きにしても
日常的に何かを選択しなければならない時に
何にでも必要な考え方なのかなと思いました。

この話を聞いた後
善光寺へお地蔵さんを見に行きました。

少し脇道に入ったところにひっそりと
とてもきれいでしたよ。

長くなったので
この辺りで。

また少しずつご紹介していきたいと思います。

スタッフ/池田奈美子
書いた人スタッフ/池田奈美子

「なぜ?どうして?」と私が疑問に感じたことをお伝えすることでみなさんの疑問が晴れることを願って。
松葉屋の家具やアートギャッベ、森との関わりを日々感じたままにお伝えします。

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