インタビュー「ギャッベ 108の暮らし」長野市Kさん(2)

松葉屋のギャッベを大切に使い続けてくださっている長野市のKさん。

後半のインタビューでは、Kさんの息子さんたちが成長して進学のために上京したことで「ひとり時間」を楽しんだり、息子さんたちに会いに家庭訪問(上京)するお話しなどを伺いました。

松葉屋の家具もギャッベも、あたたかな家族の一員になれているようでよかったなとしみじみ幸福感で満たされた訪問でした。

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ギャッベの上でお昼寝をしていた子どもたちは成長して ストレッチをする朝が至福の「ひとり時間」

K さん 2009 年くらいかな。息子たちがギャッベの上でお昼寝しているようすを写真で撮ってもらったことありましたよね?

善五郎 ありました、懐かしいですね。

佳子 お子さんが成長するまで、このギャッベもずっと一緒だったんですね。

K さん 息子2人は大学生になり上京したので、今は主人と柴犬だけ。さみしいくらい、だけど気楽ですね(笑)。

佳子 子育て中はやることがたくさんありますからね。

K さん 息子が部活の友だちをたくさん連れてきて、家で遊んだりね。とにかくにぎやかでした。私たちは食器が好きだったので、お母さん同士でお茶をしたりもしました。子育てが終わるとそんな機会もほとんどなくなるので、たまにはこうやって人を招くと楽しいですね。

佳子 うちも娘と息子が2人とも高校生になったので、お母さん同士で行き来することはすっかりなくなりましたね。

K さん 普段は11時頃には寝て4時半くらいには目が覚めるんです。そこからお弁当をつくったり、犬の散歩に出かけたり、主人が仕事に出かける前に1日のことを済ませてしまうことも。あと、最近は休日になると温泉でゆっくり過ごすようにもなりました。

善五郎 散歩があれば、僕も早起きできるってことかな(笑)。

K さん 早起きすると、一日が長く感じられますよ。主人が朝早くに仕事へ出るので、私は朝ドラが終わるまでの2時間、ひとりの時間を楽しみます。ギャッベの上でストレッチもしてますね。今はその時間が一番いい。

佳子 休日に温泉、平日もゆっくりひとりの時間。穏やかな毎日でいいですね。上京されている息子さんに会いに行ったりもされるんですか?

K さん 月に一度は息子のところへ家庭訪問(笑)しに行きます。2人それぞれの家に、1泊ずつ。水曜の午前中に仕事をしてからお昼のバスで上京して、水曜の夕方から金曜の早朝まで滞在します。金曜は朝にバスに乗って長野に戻り、午後からは職場に戻って仕事もして。そんな感じですね。

佳子 帰ってからもお仕事へ行かれるんですね! 私は東京に行くと美術館やギャラリーを周ったり、めいっぱい予定を入れちゃうんです。K さんはどうです?

K さん 私の目的は息子たちとご飯を食べることで、それが何よりの楽しみなんです。あとは新宿のデパ地下で主人へのお土産を買うくらい。おいしいパンとか、少しだけね。もう一日くらい余裕があったら違うのかもしれませんけどね。それでも昔は東京でOLをしていたから、いろんなところに出かけましたよ。だから今は何かしなくちゃって考えるよりも、いくつかのたのしみで満足するようになったのかもしれないですね。

新しいギャッベに出合えたら 今度は息子たちに買ってもらおうかしら

佳子 ギャッベを使われてから、暮らしの変化って何かありましたか?

K さん 変化というよりは、本当に気に入ったものだったから妥協しなくてよかったなぁと思います。人それぞれの価値観ではありますけど、決して安価なものではないですし。

佳子 大切に永く使っていただけて、私たちも嬉しいです。

K さん 値段だけで取捨選択するよりは、本当に気に入ったものを暮らしに取り入れたいと思っています。意外と他のところで無駄遣いを我慢できたりもしますからね(笑)。あと主人がいい人で、私が選ぶことに何も言わないです。日常でも自分が仕事へ行く前に私が家事をせっせとやっていても、何ひとつ文句を言わないでいてくれます。ふつうだったら、きっといやだと思いますよ。自分がこれから仕事へ行くときなのに(笑)。

佳子 ご主人のやさしさも、K さんのギャッベを観る感性も、本当に素敵ですね。

K さん いえいえ、そんなことないですよ。でも本当に主人には感謝しています。大切にしないといけませんね。もしまた、いいギャッベに巡り合えたら、次は息子たちに買ってもらおうかな、なんて(笑)。

手作りのオレンジピール 香りにつられて家族が集う

佳子 それにしてもこのオレンジピール、いい香りですね。

K さん いつも時期になると大量に作って冷凍保存。バレンタインにはチョコをかけて配っているんです。

佳子 柔らかくて、甘みもちょうどよくて。

佳子・善五郎 美味しいです!

佳子 たべると体がよろこんでる感じがする。

K さん 甘みを抑えてるからかな。

佳子 どうやって作るんですか?

K さん 時期は2月ごろなんだけど、熊本県水俣市産の「きばる」という甘夏でつくるんです。

佳子 ほかと比べて何がちがうんですか?

K さん ほかだと皮のワックスが心配で。「きばる」は農薬を極力控えてノーワックスで作られているんです。水俣は歴史的に大変なことがあったから、自分たちは安全なものを作ろうって始められたそうです。

佳子 かつての経験から安全性を考えられているんですね。

K さん 私がつくるピールは、皮を厚くむくんです。そうすると味がじわっとくるじゃないですか。

佳子 この苦味がいいですよね。

K さん そうそう。

佳子 自分でつくると好きなようにできますしね。

K さん そう。好きなサイズに切って、ゆでこぼして洗って。ゆでこぼすと、オレンジパワーでシンクがきれいになるのもいい!

佳子 えー! それはやるしかない。

K さん あとはグラニュー糖で煮詰めるんですけどね。家の中がいい香りで満ちて、それだけで幸せですよ。元気になってるって思えます。

佳子 ですよね、豊かで贅沢だなぁって思います。私も足湯に使おうと柚子とライム、レモンを輪切りにしてお湯を入れたらフワーって家じゅう柚子のいい香りになったのを思い出しました。こどもたちも「いい匂いするー!」って足を入れにきて。

K さん 自然な香りはいいですね。

佳子 こういう日常っていいな、部屋じゅうに香りが漂っているときの家族の幸せな気分が伝染し合うようで。みんな機嫌がよくなっていました。

K さん 男の子って口に出さないけれど、感じてくれていると思う。

佳子 そうそう。ちょっとしたことなんだけど、お母さんが何かしてくれてるってこどもたちの記憶に残りますよね、きっと。

K さん あってもらいたいけど、どうかな〜(笑)。

佳子 絶対あると思う。

K さん 息子たちはね、昔はオレンジピールを食べられなかったんです。でも今はよろこんで食べている。それが嬉しいですね。

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