インタビュー「ギャッベ 108の暮らし」長野市Kさん(1)

結婚、出産、新築住宅へのお引越し。時代は流れて息子さんたちの進学と上京、ご主人と柴犬との穏やかな暮らし…。そんな日々を重ねて、松葉屋の暮らしの道具を大切に使い続けてくださっている長野市のKさん。

まだ幼かった息子さんたちがギャッベの上ですやすやお昼寝をしていたこと。毎朝お仕事前にギャッベの上でストレッチをしていることなど、ありのままの「ギャッベのある暮らし」をお話しいただきました。

松葉屋との縁は、結婚前に
階段箪笥を買ったのがはじまり

佳子 今日は松葉屋のギャッベを選ばれた理由や使い心地のことなどお聞きしたいと思います。

善五郎 あらためてお聞きしたことがなかったですから、今日はとてもたのしみです。たしか階段箪たんすを買われたのが最初でしたね。

Kさん 東京から帰ってきて、30代だったかしら。善光寺の近くでアルバイトをしていて、松葉屋さんの前を通るたびに「いいなぁ」と気になっていたんですよ。そのあと結婚を機に階段箪笥を買わせてもらったのがはじまりでしたね。

善五郎 ご結婚されるときだったのですね、それは嬉しいなぁ。

K さん そうですね。次男が生まれてから家を建てることになったときは、テーブルや机を新調させてもらいましたよね。

佳子 ほかに引き出物などもご用意させていただきました。私たちもお役に立てて光栄です、ありがとうございます。

K さん こちらこそありがとうございました。そのあと松葉屋さんがギャッベを紹介されるようになって。かねてからギャッベが好きだったので、気になって観に行ったんです。そして、新しい家の玄関に敷く朱色のきれいなギャッベを買わせてもらったんです。

佳子 もう15年くらい前になりますね。

はじめてのギャッベと
そのあとのギャッベ

K さん もともとカラフルなギャッベを一枚使っていたんです。当時は若かったし息子たちも小さかったから、にぎやかなものが好みだったんでしょうね。だけど松葉屋さんで素朴で美しいギャッベがあることを知って、赤の濃淡が美しいギャッベに一目惚れしてしまったんです。まさか買うとは思っていませんでしたが、今も大切に使っていますよ。

佳子 とても美しくて、私たちも気に入っていたギャッベですね。

K さん そのあとにもいいギャッベと巡り合えて、たしか12年前くらいでしたかね。リビングで使っている草木染めの緑のグラデーションのギャッベも購入しました。

善五郎 たしか青のグラデーションのギャッベで悩まれていましたよね?

Kさん そうでしたね。1 〜2 年ずっと悩んでいて、何度もお店で見せていただくだけでなく、試しに和室に敷いていただいたりもしました。そうこうしているうちに、今の緑が美しいギャッベと巡り合ったんです。

佳子 このギャッベを観たときは、色合いの美しさにびっくりしました。

K さん 以前ならカラフルでにぎやかなものを好んでいましたが、私自身も落ち着いたグラデーションに惹かれるようになっていたんでしょうね。こんなに美しいギャッベはもう巡り合えないだろうなぁと感じて「どうしても欲しい」と思っちゃったんです。観る方向によって彩りが変わって、風景に思えたりすることも。だから今でも飽きない、選んで本当によかったです。息子たちが小さい頃はここでゴロゴロして、気持ち良さそうにお昼寝をしていましたね。たのしい思い出です。

10年後のギャッベ
色彩のうつろい

K さん でも当初は家に大きすぎるかなと思って、このサイズのギャッベは選択肢になかったんです。でも試しに敷いていただいたら、その心配はなくなりました。

佳子 松葉屋では大きく感じるギャッベも、家に敷いてみるとそうでもなくなることってよくあります。不思議ですよね。すでに10年ほど使われていますが、困ったことなどありましたか?

K さん うちでは犬を飼っているので、ギャッベについた犬の毛を掃除するとき掃除機をガンガンかけちゃっていたんです。そしたら毛並みが少し薄くなってきちゃったかな? と感じています。

佳子 上質なギャッベは、はじめのふっくらした触り心地から、スベスベとしたシルクのような絨毯に育つといわれています。ソランヴァリのギャッべは脂分をたっぷり含んだ長毛をたくさん使った上質なウールでつくられていますが、糸を紡ぐとフワフワした短毛も混じるので、出来あがったばかりのギャッベはフワフワスベスベしています。それが使ううちに短毛がちょっとずつ抜けて、やがて長毛だけのスベスベの絨毯になっていくんです。だから掃除機の吸引力で、早く育ててしまったということになるのかな (笑)? 私たちが 選定をするとき、しっかりと織り込まれているものを選ぶようにしているんです。だからよほどのことがない限り、下地が出てしまうようなことはないです。

K さん よかった、それなら安心です。

佳子 私たちがギャッベを扱い始めたばかりの頃には、その辺をちゃんとお伝えできてなくて申し訳ありませんでした。私も以前は掃除機をガンガンかけてしまっていた経験から気がついてお伝えできるようになったんですが、掃除機は“弱”設定でおかけくださいね。それにしても12 年ぶりにギャッベと再会しましたが、色が深まった気がします。

K さん たしかに色のグラデーションが深くなったかもしれませんね。

佳子 久しぶりに観たら青が際立って、黄色が少し落ち着いた感じがしますね。初めてKさんが観たときに「好きな色がいっぱい入っている」とおっしゃっていたの、今でもよく憶えていますよ。

K さん そうでしたね。今も変わらず好きな色です。今日の洋服もそうなんです。このギャッベを選んで、大正解でしたね。そういえば水や牛乳をこぼしてしまった時、ちゃんと弾くし、拭いたらきれいになったので驚きました!

佳子 そうなんです。いいギャッベほどお手入れが難しくなく、永く使っていただけます。牛乳などをこぼしてしまったら固くしぼった布で拭いて、細かなゴミを落としてしまったら毛並みに沿って掃除機をかけるだけで大丈夫です。機械編みの絨毯だとロール状に編み込まれていたりするので、ゴミやほこりが奥に巻き込まれてしまったり、液体が染み込んでしまうこともあります。ゴミやほこりが詰まると、ダニやカビの原因になってしまうんです。だけど松葉屋のギャッベは、脂分を含んだ長毛がゴミやほこりを巻き込まないので、きれいに使っていただけます。短毛が少し抜けて、毛並みは落ち着いていきますが、そんな変化も味わいとしてたのしんでいただけると思いますね。

店主/滝澤善五郎
書いた人店主/滝澤善五郎

愛着もてるものを
手入れしたり、メンテナンスしたり、修理したり
そうやって永く、永くつき合っていく。
「繕い、直し、使いつづける」
ボロッちくて、朽ち果てたものが大好きです。
ぜひ一度、私 善五郎に会いにお出掛け下さい!

>記事の一覧はこちら

関連記事

茜(あかね)色の松葉屋

こんにちは、スタッフの池田です。   11月18...

記事を読む

ギャッベを壁に飾る

こんにちは。 松葉屋家具店店主の善五郎です。 ただいま松葉屋店...

記事を読む

ギャッベと卓袱台(ちゃぶ台)

ギャッベと遊牧民と、卓袱台(ちゃぶ台)のある暮らし

こんにちは 松葉屋家具店主の滝澤善五郎です。  ...

記事を読む

お店って舞台だよね。ギャッベの入れ替え。

松葉屋の「がらんどう」の2階 お店は生き物。 いつも循環して、...

記事を読む

インタビュー「ギャッベ 108の暮らし」長野市Kさん(2)

松葉屋のギャッベを大切に使い続けてくださっている長野市のKさん。 後...

記事を読む

新着記事

山頂で本屋を開いたら? そんな遊び心から生まれた山頂本屋 〜杣(そま)BOOKS 細井 岳さん〜

「本棚を担いで山登りをし、山頂で本屋をしている木こりがいる」という話し...

記事を読む

りんごのコンポートのある朝

りんごのシーズンになりました。 りんご一個分を煮るのにちょうどい...

記事を読む

「ギャッベのある、108の暮らし」 お客さまからのお便り 

松葉屋の椅子とギャッベが4組並んだ店内。空間に映える観葉植物の緑と木か...

記事を読む

茜(あかね)色の松葉屋

こんにちは、スタッフの池田です。   11月18...

記事を読む

松葉屋家具店 欅 ケヤキ 一枚板テーブル

欅の一枚板テーブルと家族の椅子

こんにちは、松葉屋家具店スタッフの早川です。 先日、長野市のお客様へ...

記事を読む

松葉屋家具店公式サイトはこちら
PAGE TOP ↑