「家具屋より木に詳しくなる」
自然素材の代表『木』は、太古より現在まで、私たちの生活に寄り添い、
あたたかさや安心感を与えてくれてきました 。
建築には 、構造材から具・床・天 井・壁など内装まで
また、家具 や 食器・楽器 その他 工芸品、更に紙製品までも、
手にするさまざまなものが木材によって作られています。
にもかかわらず、一般に『木材』という素材の種類や性質について、
私たちの知識があまり豊富でないのは、
あまりに身近にあり過ぎるがために、その本質を知ろうとすることなく、
何となく使い過ごしているからかもしれません。
どのような材料でも環境の影響を受けないものはありません。
温度・湿度・摩擦・酸やアルカリなど による腐食、そして紫外線など。
さまざまな影響を物質は受けています。特に高温多湿の夏から寒冷 乾燥する
冬まで、強い四季を持つ日本で木材を使い続けるためには、私たちもその特質、
変化に対応する方法を知ることが大切です。
そしてそのことが『木への愛着』につながっていくのだと思います。
木材にはたくさんの利点がありますが、また幾つもの欠点もあります。
それでも、あらゆる用途に使 い続けられてきたのは、その特性を生かす知恵を、
人びとが多くの経験によって積み重ねてきたからです。
木材の性質
■木材の利点
1比重が小さい
2加工が容易である
3比較的安価(貴重材は別)
4資源が広範囲にある
5熱や電流を伝えにくい
6木肌が美しい
7重量の割に強度が強い
■木材の欠点
1湿度の変化によって、膨張・収縮を繰り返す
2均質でない (繊維の方向によって性質が極端に違う)
3腐朽しやすい (殊に乾湿交互の繰り返しに弱い)
4燃えやすい
5薬品に対して抵抗力が弱い
以上のような木材の欠点は天然材ならではのもの。
それをどのように処理し、補い、付加価値を高め ていくか、ということが
木材を利用する上での課題です。
これから何回かにわけ、「家具屋より木に詳しくなる」ことを目指して、「木」について
お話していきたいと思います。