インタビュー「ギャッベ108の暮らし」長野市Mさん(3)

4回にわたってお届けしている長野市Mさんのインタビュー、

過去2回のインタビューはこちら

第1回第2回

第3回では、世代を超えて使い続けることができる
ギャッベの魅力などおはなししています。引き続きお楽しみください。

使うほどに色が抜けて原毛の色へ 時とともに育つのをたのしむ

ご主人 ギャッベの色合いって変化していくものですか?

佳子 変化していきます。

ご主人 焼けていくのかな? それとも色が抜けて白くなっていくのかな。

佳子 白っぽく色褪せることはないです。表面の染めた色がゆっくりと抜けていくので、原毛の色が見えるように。染めてない原毛はアイボリーからこげ茶までいろんな色があります。染めた色と元の色がより調和していくので、そのグラデーションもまた美しい。だから時間とともに味わいのある、いい雰囲気のあるギャッベに育っていくんです。

ご主人 このギャッベも購入してから少し時間がたっているから、そんな雰囲気が生まれ始めています。

佳子 そうですね、ちょっと変わってきてるかもしれない。朱色に少し透明感が出てきている感じがする。

ギャッベの価格に先入観をもたず 空間とのバランスを大切に。

佳子 ギャッベは高価なものですが、購入の決め手は何ですか?

ご主人 たしかに金額は高いですよね。だから最初、先入観を持ちたくなくて値段を見ないようにしたんです。
松葉屋さんに出会う前、他の展示会にも買う気満々で行ったんですよ。玄関マット用に1枚ずつ見ていって、最終的に2つに絞りました。それが店で一番高いものと安いものだったので売り子さんから「こんな風に迷う人、初めてです」と値段の差について説明してくれたんです。その言い方が、値段でものの価値をランク付けしているように感じられたんです。でも、値段より大切なのは二人の意見が合って、空間にバランスよく合うもの、そして生活に密着するもの。だから値段を中心には考えませんでした。

ご主人 たとえば建築でいろんな道具を使いますが、妻の実家は電気屋さんだったので、かつて電気工事で使われていた道具を今も自分が使っているんです。お義父さんは生きてれば90代で、その年代の人たちが使っていた道具がこちらです。たった一本のドライバーを愛用していました。

善五郎 こういうかたちは見たことないですね。

ご主人 ちなみに今はこんな感じ。これは非常に便利にできている。でも今も、昔の道具を愛用しています。

奥さま 高価なものではないと思うんですけど。

ご主人 でも悪いものじゃない。先端が非常に硬いんです。

奥さま 太く見えるけれども、実際は細いネジも回せてしまうんです。

ご主人 自分の中で“良い道具”というのは、代々使ってくのと似た感覚。良いものは一生使えますよ、という。そういう点では安物買いの銭失いになるよりも、ちゃんとしたものを長く使っていこうという想いが常にあるんです。ぱっと見は高価に感じても、長い目で見れば決して高くはない。だからギャッベも値段だけで判断はせずに、空間とのバランスを最優先した感じですね。

〈次回につづく〉

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