北信州で伐採された欅(ケヤキ)の一枚板が仕上がりました

北信州で伐採された欅(ケヤキ)の一枚板が仕上がりました。

 

長野県の森林は、なんと県土の8割(78%)。

森林面積は約106万haで、北海道、岩手県についで全国3番目の面積を

有しています。

内訳は、国有林が35%、民有林が65%で、

民有林の樹種別面積をみると、クヌギ、ブナ、ナラ以外の広葉樹の面積が

最も多いことがわかります。

民有林の40%にあたる27万5千ヘクタールは広葉樹林です。

森林資源と計画より
https://www.pref.nagano.lg.jp/rinsei/sangyo/ringyo/toukei/documents/h24-02sigen.pdf

長野県の森林・林業の現状と課題
https://www.pref.nagano.lg.jp/zeimu/kurashi/kenze/aramashi/aramashi/documents/h29-04sankousiryou1.pdf

 

その広葉樹はどのような活用をされているでしょうか。
そのまえに木材自給率はどのぐらいだと思いますか。

木材供給量及び木材自給率の推移
https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/attach/pdf/220930-1.pdf

木材自給率最低平成14年で18.8% 令和3年は41.1%と、かなりもちなおしました。

 

一方、家具に使用される国内産の広葉樹の比率は各メーカーとも

公表されていないようです。

カリモク、飛騨産業など大手メーカーのカタログ等の樹種を見ると感覚的に

一部を除きほとんど輸入材ではないでしょうか。

山の広葉樹材は、昭和30年代まで私たちの生活に欠くことのできなかった

薪や炭などの燃料用として育ててきました。時とともに燃料用として

使われなくなり、徐々に大きくなってきました。

太くなった広葉樹は家具や床材として根強い需要がありますが、

使える部分が少ないことなどから、ほとんど利用されていないのが現状です。

近くの山に木はたくさん生えていても、それを伐採して、製材して流通させ、

家や家具を作るという流れになっていないのです。

 

「すぐそばの山で採れた木で家具をつくる」

松葉屋家具店がそう思いついて10年以上になります。

国内産というあいまいな定義ではなく、「すぐそばの山で採れた木」です。

先に書いたように、長野県の土地の8割は森林で

そのうちの4割は広葉樹の森なのですから。

長野市穂保の木材センターで原木の選定をしています。

 

                     巨木を慎重に製材していきます。

 

平面に削り、磨き、鬼無里のえごま油で仕上げて、松葉屋にお目見えしました。

 

今回は大雑把に松葉屋家具店が取り組んでいる

「すぐそばの山で採れた木で家具をつくる」流れをお伝えしました。

まだこれは途上。

牛の歩み。 少しずつ少しずつ理想に近づけたいと考えています。

 

ちなみに、

現在、日本に入ってくる材の中で最も多いのが

アメリカ、カナダの北米産のもの。

日本の木材供給量の20%ほどを占めています。

北米から輸入されている樹種は多いですが、

無垢材家具の主流となっているウォールナット材やチェリー材、メープル材も

北米からの輸入材です。

続いて、マレーシアやインドネシアなどから入ってくる南洋材が約10%。

主に合板として入ってきているようです。

加えて、ヨーロッパ諸国で8%、ロシア3%となります。

 

松葉屋家具店では当然扱っていませんが、

一枚板の天板でよく見られる「ブビンガ」は

アフリカのカメルーン・ガボン・コートジボワールが原産地。

 

東京からカメルーンの首都ヤウンデまでの距離は13081 km。

コトの良し悪しは別として、人間って欲深いと思いませんか。

ちかくにこんなにたくさんの森林資源があるのに。

 

ここにあるものを使う。

逆になぜ使わないのか。わからない。

遠く何千キロも隔てた海の向こうの(アフリカとか)の木を切って、

持って来なくてはいけないのか。

すぐそばにあるなら、使えばいい。
単純だと思うんだけどな。

「山と森、木と人々の暮らしを一本の糸につなげること」
それが松葉屋の仕事です。

 

 

 

 

 

 

 

店主/滝澤善五郎
書いた人店主/滝澤善五郎

愛着もてるものを
手入れしたり、メンテナンスしたり、修理したり
そうやって永く、永くつき合っていく。
「繕い、直し、使いつづける」
ボロッちくて、朽ち果てたものが大好きです。
ぜひ一度、私 善五郎に会いにお出掛け下さい!

>記事の一覧はこちら

関連記事

ギャッベと卓袱台(ちゃぶ台)

ギャッベと遊牧民と、卓袱台(ちゃぶ台)のある暮らし

こんにちは 松葉屋家具店主の滝澤善五郎です。  ...

記事を読む

お店って舞台だよね。ギャッベの入れ替え。

松葉屋の「がらんどう」の2階 お店は生き物。 いつも循環して、...

記事を読む

松葉屋のちいさな森の報告書「アメリカヤマゴボウ」

松葉屋のちいさな森。 毎朝掃除のために通るたび、昨日と違う顔を見せて...

記事を読む

【視点】一生使えるものってなんだろう(1)

「一生モノ」 松葉屋で扱っているギャッベや家具はたしかにその通り...

記事を読む

松葉屋のちいさな森にうまれた生態系・アブラゼミとミンミンゼミ

今日は8月27日。残暑御見舞申し上げます・・・なんだけど、 連日の猛...

記事を読む

新着記事

バイオマス お山の発電所

長野県初の木質バイオマス発電所「いいづなお山の発電所」がスタートしたの...

記事を読む

「ギャッベのある、108の暮らし」 お客さまからのお便り

毛質も柄もこの上がないといわれている、イラン・テヘランにあるゾランヴァ...

記事を読む

ギャッベと卓袱台(ちゃぶ台)

ギャッベと遊牧民と、卓袱台(ちゃぶ台)のある暮らし

こんにちは 松葉屋家具店主の滝澤善五郎です。  ...

記事を読む

「ギャッベのある、108の暮らし」 お客さまからのお便り

お客さまからのお便りを読んでいると、その方の暮らしぶりが見えてきます。...

記事を読む

「ギャッベのある、108の暮らし」 お客さまからのお便り 

繊細な模様と、毛質と色使いが上質な一枚。 何枚も素敵なぎゃべをお持ち...

記事を読む

松葉屋家具店公式サイトはこちら
PAGE TOP ↑