ヤマハフォールディングチェア・テーブルの修理を行いました。
こんにちは、スタッフの池田です。
お客さまからのご依頼で
1930年頃に制作されたヤマハ(当時は「日本楽器製造株式会社」)
の折り畳み椅子とテーブルの修理・張り替えを行いました。
何年か前にお客さまご自身で
座面と背もたれの布をつくって使われていたということで
松葉屋へ持って来てくださった時は可愛らしいチェックの布で張られていました。
2脚ある椅子のひとつはロッキングチェアになっています。
折りたたみの椅子とテーブル。
なかなか出会えない年代物の家具です。
折り畳むと見事にコンパクトになります。
テーブルもとっても小さくなってかわいらしい。
日本のお家は昔はひと間で食事をしたり寝床にしたりしていたから
ちゃぶ台のような折りたたみの家具が流行ったんだよ。
と職人さんに教えてもらった事がありました。
このテーブルと椅子も、西洋の文化が入って来て
それを日本的にアレンジしたものなのでしょうか。
全体に華奢なつくりなので
取り回しも軽く、し易くなっています。
今では、アウトドア用品などではよく
「折りたたみ」の道具は目にしますが
当時は画期的だっただろうなと思います。
だから、日本で最初のグッドデザイン賞!
に輝いたんですよね。
今回は椅子の布の張り替えと
緩んでしまったり、ネジが取れてしまったところの補修
テーブルの天板の塗り直しもお受けしました。
お客さまからお預かりしたのが8月のこと。
それから職人さんの手に渡って
まずは木部の補修が始りました。
緩んでいた部分を直してから
次は布の張り替えを担当している職人さんの元へ渡って・・・
11月の中旬にようやく仕上がりました。
すてきです!
お客さまに選んでいただいた布の色も
とってもよく合っていて
よい雰囲気に仕上がりました。
古いものも手を入れる事で
またより魅力的に見えるということが
実感できました。
この家具ができてからおよそ90年
きっと100年目を迎えることができて
またさらに使い続けることができるモノになりました。
修理をすると100年迎えることのできるものって
案外たくさんあるのかもしれない。
でも、「残そう」と思わないと残らないものですよね。
ものの一生を決めるのは使う人ですから
修理されたものを見ると
より、ものを大切にしようという気持になります。
大切な経験をさせてくださったお客さまに感謝です。
2015/12/03 | 100年使う家具, 直し、繕い、使う(お手入れについて)
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書いた人スタッフ/池田奈美子
「なぜ?どうして?」と私が疑問に感じたことをお伝えすることでみなさんの疑問が晴れることを願って。
松葉屋の家具やアートギャッベ、森との関わりを日々感じたままにお伝えします。
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