
今年は、雨が多い
梅雨のじめじめとは違って
秋の雨は、少し涼しい
それにしても、よく降りました
- ギャッベが水に浸かってしまったら
- 手入れのことを、職人さんに聞きました
- 一番は「敷いてください」── 虫食いが心配な方へ
- 汚れの七割は掃除機で、三割は濡れタオルで
- 裏にも、掃除機をかけてください
- 重曹は使わないでください ── やらないほうがいいこと
- 何かこぼしたときは、この順番で
- 落ちなかったら、早めに ── 汚れは落とせる、変色は戻せない
- 墨汁を、たっぷりこぼした一枚
- 「百年使えるじゅうたん」の、本当のところ
- かじられた角も、ほつれた端も ── 修理の実例
- 五年から十年使ったら、一度クリーニングを
- クリーニングでは、何をしているのか
- 街のクリーニング屋さんには、出さないでください
- 松葉屋には、職人がついています
- 修理・クリーニングの頼み方
ギャッベが水に浸かってしまったら
水害などに遭われ
もし水に浸かってしまったギャッベがあっても
洗うことができます
畳も、床板も
濡れてしまったら、処分するしかない
ギャッベは、洗って
乾かしたら使えます
ただ、できるだけ濡れたままにしないことが
大切です
羊の毛は、濡れたままだと
もろくなります
すぐにクリーニングに出せる状態になくても
まずは乾かすことで
傷みやカビの被害を最小限にできます
泥や土は、後からでも
クリーニングで落とせます
7年前、長野市の台風災害の時に
私たちも学びました
手入れのことを、職人さんに聞きました
今日は、ギャッベの手入れの話を書きます
寒くなるこれからが
よりギャッベが活躍する季節なので

2021年の秋、クリーニングとリペアの職人
菅井さんに、ひととおり聞きました
翌年、一冊にまとめました
『ギャッベ メンテナンスブック』
ギャッベをお使いの方、ギャッベのことが大好きな方にお送りしたものです
2025年に、少し直しました
いまお渡ししているのは、その版です
そのときいちばんはっきり言われたことから、書きます
一番は「敷いてください」── 虫食いが心配な方へ
「クリーニングして夏の間しまっておく方も
いらっしゃいますが、
一番は『敷いてください』です」
しまわないでください
虫に食われるのは、しまい込まれた絨毯
食べかすが残ったまま
空気の流れないところに、置きっぱなしになったもの
毎日踏まれて
ときどき掃除機をかけられている絨毯は、食われない
手入れの話なのに、いちばんの答えが「使ってください」
これは、家具も同じ
どうしても、しまうなら
クリーニングをして
しばらく広げて、湿気を抜いてから
くるくると丸めて
立てかけずに、寝かせて
ときどき広げて、掃除機を
汚れの七割は掃除機で、三割は濡れタオルで
次に、湿った汚れの話
絨毯の汚れは、七割が固形
髪の毛、食べかす、砂
残りの三割が、湿った汚れ
皮脂と、汗
湿った汚れは
なかなか掃除機では取れない
夏のあいだ、素足で踏んでいました
取り方は、拍子抜けするほど簡単
固く絞った濡れタオルで
毛並みに沿って、拭く
洗剤は、いらない

毛足の長いものなら、櫛を通すのもいい
馬の毛のブラシも、いい
菅井さんは、こう言っていました
「自分の髪の毛やペットに置き換えると
答えが出てきます」
ギャッベも、羊の毛
裏にも、掃除機をかけてください
そしてギャッベの裏も
掃除機をかけてください
「意外と裏面の掃除機がけを
やっている方が少ないですね」
重いので、一度に全部やろうとしなくていい
戸を開けて、風通しをよくして
片側ずつめくってかけます
残りの半分は、別の日に
ギャッベは通気性がいい
裏のゴミを取ると、もっとよくなる
重曹は使わないでください ── やらないほうがいいこと
ここからが、今日いちばん書きたいことです
やらないほうがいいこと
いちばんは、重曹
ネットで調べると
絨毯の汚れには重曹を使うといいと
出てきますが
ギャッベには逆効果です
菅井さんは
重曹で色が抜けてしまった一枚を
実際に見ています
重曹は、油を溶かす
ギャッベの毛には
ラノリンという油が、残ったままになっています
ほかに、やらないほうがいいこと
・お風呂場でお湯をかける(色が流れ出ます)
・たたんで洗濯機(折り目が直らないことがあります)
・掃除機の回転ブラシ
・お掃除ロボット
・消臭スプレー、除菌スプレー
掃除機は「弱」で
回転ブラシは、毛をからめてしまうので
絶対に使わないでください
消臭スプレーは、匂いにフタをするだけ
くり返し使うと、汚れが層になって
クリーニングで何度洗っても
匂いが取りきれないことがある
匂いが気になったら
固く絞った布巾で、水拭き
それが、いちばん効く
三十年、四十年前の古いギャッベは
ぬるま湯ではなく、水で
いまとは、染めの技術が違うから
何かこぼしたときは、この順番で
こぼしたときは
慌てて何かをする前に
順番だけ、覚えておいてください
一 乾いたタオルで、手早く拭き取る
二 絨毯の下に、タオルを敷く
三 水を含ませて、乾いたタオルで拭き取る
四 三を、くり返す

「ほとんど取れるか、薄くなります」
拭く時はこすると
毛が傷むので
毛の流れに沿って拭いてください
犬や猫のおしっこも、同じ順番
おしっこは、色が変わりやすい
裏側まで、しっかり拭いてください
落ちなかったら、早めに ── 汚れは落とせる、変色は戻せない
それでも落ちなかったら
早めに言ってください
汚れが残ったまま時間が経つと
糸が変色することがあります
汚れは、落とせますが
変色は、戻せないので
月日が経ったおしっこは、とくに色が強い
青いギャッベが
ほとんど黄色になって届いたことがある、と聞きました
取りようが、なかった
濡れて、汚れが付きたてのほうが
取れやすい
だから、乾かさないうちに
墨汁を、たっぷりこぼした一枚
墨汁のボトルが倒れているのに気づかず
たっぷりこぼしてしまった
というお電話をいただいたことがあります
2016年の12月
東京のお客様でした
淡い色の一枚でした
乾く前に、ラップで覆って送っていただいた

二週間で戻ってきました

どこにこぼしたのか、分からなくなっていました
「百年使えるじゅうたん」の、本当のところ
僕らは「百年使えるじゅうたん」と言っています
それについても、そのまま聞きました
「もちろん100年使えるものもありますが、
何も手を加えずに100年持つわけではありません。
100年もののギャッベを見ると、リペアした跡もあります」
百年ものには、繕った跡がある
そこがいい、と僕は思っています
かじられた角も、ほつれた端も ── 修理の実例
繕った跡の話を、少し
直してくれるのは、熟練の、イランの職人さん
2013年の12月
千曲市のお宅から、柴犬に四隅をかじられた一枚が届きました

かがってある端だけでなく
毛のあるところまで、少し無くなっていた
無くなった毛は
そっくりな色の糸を足して、直してありました

柴犬くんは、少し大きくなって
かじる癖も、なおったそうです
直したまま三年たった、と聞きました
2014年の2月
長野市のお宅
扉に引っかかって
端の糸が切れた一枚

これ以上ほつれないように
止めてもらいました

2018年の2月
また、柴犬でした
長野市のお宅
角を、かじられた

糸をつないで、元のとおりに直すか
またかじるかもしれないから
ほつれ止めにするか
相談して、ほつれ止めにしました

かじらなくなった、そうです

小さなギャッベの端は
座っているうちに、ゆるんで、ほつれてくることがある
手でかがって仕上げてあるから
また、人の手で直せる
軽いほつれなら
ご自分で、糸でかがって直すこともできます
五年から十年使ったら、一度クリーニングを
五年から十年 使ったら、一度クリーニングを
五年使ったギャッベを洗うと
こういう水が出ます

2020年の9月
千曲市のお宅から、十年使った一枚

黄色が少し抜けて
羊の毛の、もとの色が出てきた
艶が出て
シャンパンゴールドのような色に

同じ年の10月
長野市のお宅から、やはり十年使った一枚
目立った汚れもなく
きれいに使ってありました
それでも、洗って戻すと
「さっぱりして気持ちがいい」
クリーニングでは、何をしているのか
ギャッベにいちばんいいのは
石鹸と、水で洗うこと
ただ、それを家でやるのは、難しい
職人さんのところで、何をしているか
まず、専用の掃除機で、固いゴミを取る
織りと、肌ざわりと、汚れを見て
洗剤を選ぶ
全体に吹きつけて、ブラシでなじませて
二十分、待つ
温かい水を吹きつけながら
ブラシでこすって、汚れを吸い取る

外には干さない
汚れがつくから
乾燥室で、乾かす

希望があれば
植物のエキスの除菌スプレーをなじませて
抗菌のライトを、八時間
最後に、ていねいにブラシをかけて
かがりのほつれや、飛び出した毛を整える
洗った水は、そのまま流さない
三つに分かれたタンクで、微生物がゆっくり分解して
透明になった水を、庭の草花に撒いている
冬は、少しだけ雪も融かす
洗い終えた一枚ずつに、カルテを作っています
ほしい方には、お渡しします
街のクリーニング屋さんには、出さないでください
ひとつだけ、お願いがあります
街のクリーニング屋さんには
出さないでください
草木で染めた糸と
油を抜いていない羊の毛
これを洗ったことがあるかどうかで
結果が変わります
汚れは落とせても
色が飛んだら、戻せないので
松葉屋には、職人がついています
松葉屋には、職人がついています
クリーニングは菅井さん
ほつれや補修は
熟練の、イランの職人さん
それでもどうにもならないときに
頼む人も、また別にいます
状態によって
適切な職人さんにお願いします
写真が残っているものだけで
2013年から2025年まで、十六件
千曲市、妙高市、上越市
東京からも、届きました
修理・クリーニングの頼み方
お問い合わせのフォーム、お電話、お店で
どれでも構いません
松葉屋で買ったものでなくても、ご相談ください
クリーニングなら、大きさと、何の汚れか
修理なら、傷んだところの写真を、メールで
お店にいらっしゃるなら、写真か、その一枚を
吐いたものなど、うつる病気が心配な汚れのときは
必ず先に教えてください
洗う人を、守るためです
修理のお見積りには、三日から一週間
お預かりは、お持ちいただくか、宅配便で
運ぶのが難しければ、引き取りにも伺います
仕上がりまで、ふつう一か月から二か月
お返しは、お引き取りか、宅配便で
送料は、実費をいただいています
電話 0120-55-2346
お問い合わせ お問い合わせフォーム
雨の多い秋でした
「ギャッベは一年中使えます
しまわないでください」
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『ギャッベ メンテナンスブック』を
ご希望の方に差し上げます
ホームページのお問い合わせからでも
お店で「ください」の一言でも構いません
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秋のギャッベ展
会期 10月9日(金)〜11月3日(火・祝)
定休日 火水曜日
※最終日の火曜は16時までの営業
時間 10:00 − 18:00
会場 松葉屋家具店+くらし道具学研究所
〒380-0841 長野市大門町45
電話 0120-55-2346
イラン・ファールス州の遊牧民
カシュガイ族の女性たちが
羊毛を紡ぎ、草木で染め、一目ずつ織ったもの
二百枚以上を、広げてお待ちしています

たくさんの一枚板が並ぶ店内に
ギャッベが敷かれて
店の中の匂いが、一日で変わります
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※2026年10月2日にお送りしたメールマガジンに、書き足してブログにしました
あわせて読む
・ギャッベに墨汁をこぼしても、スッキリきれいになりました「ギャッベのお手入れ」(2019年)
・柴犬くんに四隅をかじられても直りました「ギャッベのお手入れ」(2019年)
・アートギャッベ ほつれてしまったらどうしたらいいですか?(2014年)

