こんにちは、スタッフの須坂です。
先日、松葉屋の事務所の椅子が壊れてしまいました。
「椅子の修理は初期段階でお出しください。」と、
いつもお客様にはお伝えしていますが、、、
実際には騙し騙し使ってしまうものですね。
今回もずいぶん前からギシギシ音を立てていたのに、
何となく使用していて、とうとう脚の貫が外れてしまいました‥。
かなり古いスツールですので完璧に直るかはわかりませんが、
善五郎さんの大切なコレクションですし、
まだまだ使いたいので修理します。
それぞれの仕口(加工部分)を確認すると
全ての箇所がゆるゆるになっています。
ですが、貫の木口に丁度良い割れが入っていますので
そこへ楔(くさび)を打てば何とか締め付けができそうですね。
仕口にはそれぞれ相性がありますのでそれを確認しつつ、
接着剤の膠(にかわ)を塗って差し込みます。
そしてクランプでしっかりと固定して‥
隙間へ楔をしっかり打ち込みます!
するとホゾ穴の中で木がギュッと広がり、
接着剤も木の繊維にギュッと入り込み硬化します。
これで脚と貫を締め付ける事ができましたので、
もうクランプを外しても大丈夫です。
対角の脚も同じ様に締め付ければひとまず完了ですが、
ガタつきがあった場合には脚の先の調整が必要となります。
ちなみに膠の成分は主にコラーゲンなので、
湯煎で溶けて、乾燥とともに硬化して
とても強い接着力を発揮します。
とりあえず一安心ですが、楔(くさび)の色が気になります‥。
手短にパステル鉛筆がありましたので、
今回はこれで補色をしておきましょう。
楔の色も気にならなくなり良い感じです。
愛着も増して、現役復活となりました。
お直しの方法はさまざまありますが、
大切な椅子に修理が必要な時は、
”お早めに”松葉屋にお声かけください。