こんばんは。100年家具店店主、松葉屋善五郎です。
「どうしてこの想いを書いたのか」 学習机についての私の想いを書きました。それは自分自身の子育てをあらためて確認したい気持ちだったのかもしれません。 子どもは体いっぱいで感じ、笑い、泣き、怒ります。繊細で感受性ゆたかな子どものにこそ「本物」に触れてさせるべきではないか。今は、そう信じています。
第八章 学習机の選び方・基準
一、学習机をどこで買うか
学習机を購入できる場所を、大きく6つに分けてみました。
①家具店(インテリアショップ)や家具量販店
昔ながらの家具屋は、本当に少なくなりましたね。
現在の家具店の主流形態は、郊外型大型インテリア量販店です。学習机の展示数は増減しますが、通年展示されています。
②ホームセンター
学習机は入学シーズンのみ展示されています。
③スーパーやショッピングセンター
ホームセンターと同様に、入学シーズンに合わせて展示されていますね。
ランドセルや地域小学校の制服などとあわせて購入できる利便さがメリットかもしれません。
④百貨店
家具が常設されている様子は、ほとんど見られなくなりましたが、シーズン商品として展示されるケースは多いようです。
ショッピングセンターと同様に、制服やランドセルを同時に購入することができますね。
⑤通販やネット通販
「学習机」と検索すればいくらでも出てきます。
⑥個人木工工房
たとえば信州でも多くの家具工房があります。ほとんどが個人のつくり手ひとりの工房で、展示会などで作品を発表しています。
二、安心できるものの簡単な見分け方
では、学習机を購入しようと売り場に行ったとき、安心できる机を簡単に見分ける方法をお教えします。
ズバリ「店員さんに尋ねる」です。
店員さんにこの4つだけ質問してください。
①「素材は何ですか?」
②「塗装方法は?」
③「子どもが使って安心ですか?」
④「こわれたりした時はどうすればいいですか?」
店員さんの答えが本当であろうが、なかろうが、あまり関係ありません。
4つの質問にしっかりと答えられるかどうかが見極めのポイントです。その対応をしっかり受けとめてください。
前述した6つのお店では、はっきりと対応の差が出るはずです。
通販やネット通販では、カタログやホームページで4つの質問に対して答えがはっきり記載されていたとしても、メールや電話であらためて4つの質問を問い合わせてみてください。
答えの内容がはっきりせず、態度もしっかりしていなければ、そこで買うのは考え直したほうがいいと思います。
これは私自身がものを買うときに大切にしていることであり、売る側としても気をつけていることです。
三、長く使えるものの簡単な見分け方
「長く使えない」という意味は二つあります。
ひとつは、壊れたり傷んだりして使えなくなること。
ふたつに、あきてしまって使いたくなくなること。(あるいは学習専用、男児用、女児用という用途が合わなくなり、使い続けられなくなること)
最近の家具は比較的に丈夫で、例えば千円くらいのカラーボックスでも、すぐ壊れてしまうことは少ないものです。とすると、長く使えない理由は「あきてしまった」あるいは「ライフスタイルに合わなくなった」という商品不具合以外のことが大きいのではないでしょうか?
長く使える学習机を購入したいと売り場に行ったとき、簡単な見分け方があります。
素材でしょうか?デザインでしょうか?つくりでしょうか?実はひとつだけです。
お子さんを机に座らせた後、お母さんあなたがその机に座ってみてください。
お子さんの二十数年後の姿がそこにあります。
二十数年後のお子さんは、その机を使っていますか?
使っていて楽しいですか?
その机がいとおしくてたまらないですか?
あえて言うならば、先ほどの4つの質問を店員さんにしてみてください。
今度はお母さん、あなたが使うことを前提にしてです。
四、椅子を同時に買わない
日本人的な気質なのでしょうか、機能は多ければ多いほど良いものと考えがちです。
小さな学習机に本棚、ひきだし、ライト、フック、机の高さを調整する機能……。
これでもかと詰め込むのは滑稽で、まるでサンダーバードの基地のようです。
それらは学習机に本当に必要なものでしょうか。
私は、椅子と机を同時に購入することをおすすめしていません。
なぜなら子どもが本格的に使う高学年になってから、選んだ方がいいと思っているからです。
低学年のうちは、お母さんの目の届く食卓で勉強して、学習机は「もの置き場」であることが実は多い。
であれば、家の中であまり使われていない椅子を置くだけで十分ではないでしょうか。身長が大人に近い高学年になってから、一生付き合える椅子を購入すればよいのです。
ひとつ補足ですが、学習机に合わせる子どもの椅子にキャスターが付いているものは絶対におすすめしません。なぜキャスターがついて移動する必要があるのでしょうか。
むしろ弊害があると言っても大げさではないように私は考えます。
お子さん自身が気に入る、一生使える学習机にじっくり触れてみてください。