一枚板のテーブル、お手入れは? 輪じみ・水拭き・オイルの塗り方、ウレタンにしない理由

クラフトの箱に入った、袋入りの石けんとオイルの小瓶
松葉屋からお送りしている、お手入れのセット

「一枚板のテーブル、お手入れはどうしたらいいですか」
「輪じみがつきませんか」
お店で、よく聞かれます。

善光寺の表参道で家具店をしている、松葉屋家具店の九代目、滝澤善五郎です。

松葉屋の一枚板は、鬼無里(きなさ)のエゴマ油で仕上げています。木の椅子も同じです(松葉屋家具店の木の椅子はえごまオイルで仕上げています。)。
ウレタンなどの化学塗料は使っていません。新しくお作りする家具は、ウレタンで、とご依頼いただいても、お断りしています。

エゴマ油の短所も、お伝えしています

植物の油にも、短所はあります。
うっすらと、輪じみができることがある。表面を膜で覆わないので、木が呼吸をする。これは良いところでもあり、悪いところでもあります。

そういうことも、全部お伝えしています。
そのうえで、長所のほうがはるかに大きいから、僕たちはエゴマ油を使っています。

ウレタン塗装は、買ったときがいちばん美しいんです。使いはじめは、とても強い。でも、十年、十五年すると、劣化してきます。

自然の塗料で仕上げたものは、輪じみがついたり、傷がついたり、少し手間がかかります。
でも、だんだん愛着がわいて、傷も輪じみも、何もかもが美しく、愛着のあるものに変わっていく。傷の一つひとつが、家族の思い出や歴史になる。これは僕も感じていますし、お客様も感じてくださっています。

ただ、使ってみるまでは、なかなか分からないですよね。
「傷や輪じみがつくのが嫌だから」と、せっかくの自然の塗料の上に、ビニールのシートをかけてしまう方もいらっしゃいます。松葉屋では、おすすめしていません。

輪じみをつけないために

・水滴(結露)のついたコップは、置きっぱなしにしない。コースターを使ってください
・水がこぼれたら、できるだけ早く拭きとる。気づかずにそのままにしておくと、どうしてもしみになりやすい
・熱いやかんなどを、じかに置かない
・濡れた布巾を、長い時間置きっぱなしにしない
・毎日の水拭きは、しすぎない。油が薄れて、かさついてくることがあります
・まれに、水気のあるところに鉄のものを置くと、黒いしみがつくことがあります

しみになってしまっても、まずは固く絞った布巾で拭いてください。

輪じみは、石けんで拭くと目立たなくなる

お店では、エゴマ油を塗ったサンプルの板に、水差しやコップを置いて、実際に見ていただいています。

軽いお手入れなら、植物性の石けんをぬるま湯で溶いて、拭きあげる。それで、輪じみはかなり目立たなくなります。

・ぬるま湯で湿らせた布に、石けんをすりこむ(泡が立つくらい、濃いめに)。固く絞る
・テーブル全体を、木目に沿って拭く。油じみなど、気になるところは少し力を入れて
・拭き終わったら、乾いた布で乾拭き

石けんで拭くだけでも、汚れが落ちて、ほどよく油分の補いにもなります。

お手入れのセットを、お送りしています

お買い上げいただいてから、三か月から半年ほどたったころに、松葉屋からお手入れのセット(メンテナンスキット)をお送りしています。
中に入っているのは、

・植物性の石けん(オリーブの油からできた、アレッポの石けん)
・塗料用の植物性オイル
・研磨ペーパー(荒めの400番と、仕上げの1000番)
・お手入れのしかたを書いた紙

オイルは、エゴマ油ではありません。
エゴマ油は、乾くのがとても遅い油です。塗ってから落ち着くまで、二週間、長いと一か月ほど、べたべたする。
だから、ご自宅でのお手入れには、もっと早く乾く、安心できる塗料用の植物性オイルをお入れしています。

オイルの塗り方

石けんで拭いて、木が乾いたあと、手でさわってざらつきを感じたり、乾いているように感じたら、オイルを塗ります。しみやかさつきが気になるときも、同じです。

木のテーブルの上に置いた、灰色の研磨ペーパー
研磨ペーパーも、セットに入っています

・表面がざらついていたら、1000番の研磨ペーパーを木片に巻いて、木目に沿って撫でるように、軽く磨く(気にならなければ、しなくていい)
・布にオイルを少しだけ染みこませて、木目に沿って伸ばすように塗る。一度にたくさんつけるより、少しずつのほうが、むらなく塗れます
・二十分ほど置いたら、乾いた布で、力を入れて余分なオイルを拭きとる
・乾くまで、風を通して、テーブルの上には何も置かない。直射日光も避けてください。乾く前に物を置くと、オイルがしみこむことがあります(とくに布や紙)

オイルのついた布は、ビニール袋に水と一緒に入れて捨ててください。まれに、自然に火がついて、火事のもとになることがあります。

どのくらいの間隔で?

目安は、一年にいっぺんくらい。大掃除のときなどに。

でも、あまりきっちり考えなくて大丈夫です。「一年に一回、必ずやらなければ」と、几帳面に考えてしまう方もいらっしゃるので、お店では、わりと曖昧にお答えしています。
それに、やりすぎも、本当はよくないんです。塗り重ねて膜ができてしまうと、かえって輪じみができやすくなる。

手入れのお好きな方は、半年にいっぺんくらい、きちきちっとなさっています。
お手入れをしなかったからといって、割れたり反ったりするわけではありません(一枚板のテーブルは反る? 割れる?)。経年の変化を楽しむのも、ありだと思います。

手間をかけるほど、可愛くなる

お手入れには、二つの意味があると思っています。
ひとつは、テーブルを、もっと美しく、ご自分で仕上げていっていただきたい。
もうひとつは、お手入れをすると、その品物が可愛くなる。

車だって、工業製品ですけど、ワックスをかけてきれいにしてやると、可愛くなってくるじゃないですか。名前なんか付けてもいいかもしれない。
犬や猫だって、毛づくろいもしないでほったらかし、なんてことは絶対にしないですよね。
手間がかかればかかるほど、物は可愛くなる。それを、感じていただきたいんです。

……と言いながら、僕の家のテーブルは、作ってから一度も手入れをしたことがありません。
お店では、よく笑い話にしています。

お手入れでわからないことがあれば、ホームページのお問い合わせのフォーム、お電話、お店で、遠慮なくご相談ください。
長野市大門町45、善光寺の表参道。定休日は火曜と水曜です。

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