こんにちは。松葉屋家具店の早川です。
先日、長野市のお客様から松葉屋で購入された椅子の座面の革を
「張り替えできますか」とご依頼をいただきました。
綺麗に仕上がりましたのでご紹介いたします。
お預かりした椅子は松葉屋で25年ほど前に買われた革張りの椅子で、
長年ご使用いただき色味はだいぶ味わい深くなっていましたが
全体的にひび割れが入り、
ところどころ裂けてしまいそうな状態でした。
ご希望としては色味が近い本革で張り直したい
ということでしたので色々と探していた所、
以前松葉屋で試作として作った植物染料で着色した鹿革が
ちょうど同じくらいの色味でしたのでご提案させていただきました。
松葉屋では椅子やソファの張り地に鹿革を使用することが多いです。
長野でも鹿が多く、山路で車とぶつかったり、
畑を荒らしてしまうことから
害獣として駆除されています。
駆除された鹿は以前は埋設されていましたが、
現在は一部分ではあるものの、ジビエ料理と、
その副次的に鹿革に活用されるようになりました。
松葉屋ではそういった野生で生きていた鹿の革を使用しています。
以前あげたブログでより詳しくまとめておりますので
そちらもぜひご覧ください。
https://matubaya-kagu.com/blog/archives/4160
鹿革の1番の特徴として、牛革などと比べて圧倒的に柔らかく、
実際、下穴を開けなくとも簡単に針が通ってしまうほどです。
そんな鹿革を使って椅子の座面を張ると、
座った時に他の素材では感じられない
心地よさ、温もりが生まれます。
張り替えてみると、元の革よりも少し色味は明るいですが、
鹿革は使ううちに少しずつ濃くなっていきます。
使い込んで育てるのも革製品の醍醐味ですね!
もしお持ちの椅子やソファで張り地が傷んでいるなどの
お困りごとがありましたら、いつでも遠慮なくご相談ください!