【松葉屋】鹿革の椅子のこと

こんにちは、スタッフの池田です。

松葉屋では、「地産地消の家具づくり」

鹿革の椅子をつくり始めました。

 

最初に鹿革のことを知ったきっかけは

近くの革のお店の店主さんに

「鹿の革はとっても柔らかくて肌理が細かくていい」

ということを聞いたのと同時に

「長野は鹿の害がひどくなってきている」

たくさんの鹿が害獣という事で捕獲されている事を知りました。

 

長野県の、現状の鹿の害や利用について知るために

「鳥獣対策ジビエ振興室」

という県の林務部内の部署にも社長がお話を聞きに行きました。

 

こちらの部署では、鹿やイノシシ、熊の被害の捕獲や防除対策を行っている部署で

捕獲した命を森の恵みとしてとらえ

活用する方法を考えて行こうという事で「ジビエ振興室」ができたということでした。

 

長野県では現在年間で3万〜4万頭の鹿を捕獲されているそうですが

食肉として活用できているのはおよそ1500頭ということ。

たくさん捕獲しているんだからどんどん使えば・・・と

数字だけを見れば思うかもしれないですが

 

 

食品として提供するために捕獲するというのは工夫をしなければいけないそうです。

 

まず鹿が病気にかかっていてはダメですし

捕獲したらなるべく早く内蔵を出してしまうという事が大事であったり、

加工する施設に早く持って行かないといけない。

2〜3時間かけて持ち帰ったものは、もう美味しい肉ではなくなってしまうそうです。

 

革も使う事を考えると、捕獲の時になるべく傷をつけないように。

革を剥ぐ時に傷をつけないように。

 

ただ頭数を減らすための捕獲と

使うことを考えた捕獲では

ひとてま、ふたてま、工夫が必要であるということが

わかりました。

 

松葉屋で今つくり始めた鹿革の椅子は

知り合いの猟師さんが捕獲・革を剥いで処理したものを

墨田区にある加工場へ直接送ってもらって

「植物タンニンなめし無着色」

で仕上げたものを使っています。

 

たまたま松葉屋のお客さまに猟師さんがいたこと。

鹿革を・・・と声をかけたことでつながったご縁で

なめし加工ができる場所を知れたこと。

 

本当に最小単位の人と人のつながりから

できた商品です。

 

鹿が増えてしまった原因は

気候が温暖になったから

天敵がいなくなったから

人がつくるものを食べて栄養状態がよくなったから

・・・・・

いろいろな要因があって

中には人の都合で増えたものを

人の都合で捕獲して・・・

と、マイナスなイメージをもたれる方も

いらっしゃるかもしれませんが

 

 

人の都合でした事ならば

何かできる事を考えたり

使う方法を考える事をしたいと

 

その一歩をまだまだ小さいですが

松葉屋なりに考えて、まず形にしたのが

「鹿革の椅子」

です。

 

着色していない鹿革は色白で手触りもとても柔らか。

とても気持がいいですよ。

松葉屋家具店 鹿革 鹿革の椅子

松葉屋の職人が
一枚一枚、丁寧に張りました。
松葉屋家具店 鹿革 鹿革の椅子

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