先日松葉屋にご来店いただいたお客さま、
あれこれ、栃の一枚板の美しさのことなどお話ししたのですが
こんなメールをいただきました。
「これが、トチ餅をつくるトチの実がなる、
トチノキなんですね(笑)たまたまお正月に主人の田舎に行ったとき、
トチの実を使ったおせんべいがあり、職場への土産にしました。トチって一体どんな木って、ずっと疑問だったのです。
疑問が晴れてスッキリです。
初めて意識して見ました。
マロニエが近い種だということも貴重な情報でした。ありがとうございました。」
お正月に、
栃の実で作ったおせんべいを食べられたんですね。
お土産を職場の方は食されて、どんな感想を持たれたでしょう。
少し古いですが
栃(とち)の実に関連して
こんな新聞記事がありました。
縄文のむかしから、栃の実はでんぷん分が多く
貴重な食糧として、利用されてきました。
灰汁(アク)がつよいので、煮詰めたあと
水洗いを繰り返し食用にします。
そういっている僕は、世代や地域的に
食べた覚えがありません。
こどもたちは「栃餅-とちもち」を食べてみて
どういう感想を持ったのでしょうか。
おいしかったみたいだね。
さーて、下の写真の 栃の一枚板です。
真ん中に、節のような跡があるのが わかりますか?
これは、斧(おの)の跡。
貴重な 食糧の栃の実を 採る木は
伐採せず、斧で印をつけるのだそうです。
その斧跡を、永い年月が
埋めるように盛り上がって
この一枚板のような 独特な杢をつくりだす。
人間の、長い長い自然とのかかわりと知恵が
不思議な思いを 抱かせます。
ちなみに、栃とはこんな樹。
トチノキ 【栃・橡】
トチノキ科トチノキ属の落葉広葉樹。散孔材。
学名 : Aesculus carnea産地
北海道、本州、四国、九州に自生する。
特に、東北地方や北海道南部に多い。
5月頃に白色の花が咲き、秋には実を付け熟すと殻が3つに裂け、
光沢のある赤褐色の実が現れる。
実はすりつぶしてトチ餅などをつくる。
類似種の マロニエ は、パリの街路樹として有名木質はやや軽軟で、木理やや交錯。
木肌は緻密で、表面仕上がりは良好。
加工性はよいが、乾燥が不十分だと狂いやすい。