松葉屋のちいさな図書館 「白棚 shirotana」

こんにちは
100年家具店主、松葉屋善五郎です。

今日は8月20日。
信州は30度半ばの暑い日から朝夕は寒いと感じるような気候です。

「もう夏も終わりか」と寂しく思う方も多いかもしれませんし、
「ようやく涼しい日が戻ってきてくれた」と
ほっと安堵している方もいるかもしれません。

夏が終わりといえば、
事実中学3年生の息子は今日から新学期。
毎年長野の夏休みの短さは法律に反してると息巻いていましたが
さすがに最上級生。
夏休み中部活でほとんど家にいなかったせいもあるのか、
あまり今年は騒いでいなかったですね。
初日がいきなりテストと言うこともあったのかな。

さて話題はかわります。
松葉屋の一角に(自称)図書館を作りました、という話。
ほんの小さな、マイクロライブラリーっていうやつです。

松葉屋らしくないベニアを切って白ペンキを
荒々しく塗っただけの棚

白い棚だから、

シロタナ、いやシラタナだとか、
けっこう迷ったのですが
周りに聞いたら「どっちでもいいんじゃない?」って
僕にはそこが肝心なのに。

で、
「白棚 shirotana」と名づけました。

本に関して言えば、
実のところ学生時代から買ってきたクラフトやインテリアの本、
それからアート系や趣味の本などが
収まりきらなくなってしまったから。
それなら来店いただいた方に、そいつらを読んでもらうのも
いいんじゃないかと思って。

株式会社工作社発行の「室内」のバックナンバーも
1980年代から休刊号まで揃っています。

図書館の記憶
松葉屋の中に図書館。
それだけで僕は心地よい光景を思い出す。
もう何十年も前、 中学校の校舎の、歩くたびにギシギシ鳴る木の床。
放課後に本を読んでいると、
遠くの音楽室から 聞こえてくる合唱部の女子たちの声。

目当ての読みたい本が見つからずに、
引き出しからラベルを 一枚一枚見て探す。
それが貸し出しされてしまっていた時のちょっとした失望感。

一週間とか二週間、
返却まで永遠のように遠く感じられたり。

本の古い紙の匂い。
ちょっとかびくさい感じがして。

僕たちの中学校は古い校舎だったから
窓から冬の西日が差してくる景色は
胸がキュっとなる言いようのない懐かしさ。

そういう情景が松葉屋の中にあったらいい。
ごくささいな思いつきで本を並べてみた。
何か目的があるわけでもなく、
ただ本が置いてあるというだけで感じる
ワクワクする気持ち。

自分の本をみんなに見てもらうことは
実は少し恥ずかしい。
着替えを覗かれてる、そんな気持ち。
キュレーターってわけじゃないけど、僕の何十年の時間が残したもの。

ふーん、こんなの読んできたんだ。
そう思ってほほえましく読みに来てください。

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