こんにちは
100年家具店主、松葉屋善五郎です。
11月22日午後10時8分、長野県北部を震源とする
大きな地震が発生しました。
「長野県神城断層地震」と命名された、最大震度6弱を記録した地震は
善五郎自身、
こんな大きな揺れを体験した事がないほどの地震でした。
大きな災害があるたび、その準備の重要さを思い知らされるものの
どうしてもその記憶は薄れてしまうもの。
家の中での防災を考えてみたいと思います。
少し古いデータですが
以前、中越地震の際に松葉屋通信5号に掲載した
記録をまずご覧ください。
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地震の概要
発生日時 平成16年10月23日17時’56分頃 (本震)
震央地名 新潟県小千谷市周辺
規模等 マグニチユード 6.8(暫定)深さ13km(暫定)
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このデータから
家具類の転倒 ・落下物による負傷者が4 割以上、
ガラス等危険物によるものも含むと半数近くになることが
わかります。
では私たちはその対策をしているのでしょうか?
東京消防庁が平成16年8月から9月におこなった訪問面接調査によると、
「家具転倒等の防止対策」を実 施じている家庭は3割弱という結果でした。
その理由としては
「家具や壁に傷をつけるから」
「賃貸住宅であること」
などがあげられます。
また、70歳以上の高齢者家庭においての実施率の低さを見ると
「対策じたいが自分達ではできない」
という様子がうかがえます。
家具が倒れるなどして直接被害を受ける場合はもちろん、
通路が塞がれてしまったり、散乱した食器・ガラスなどで
負傷することが避難状況を著しく悪化させてしまう事も
大きな問題となります。
阪神淡路大震災でも7割の家具が倒れたり
動いたりしました。
長野県防災ハンドブックより
家具が動く、テレビが飛ぶ!
モノが安定しているための重心(G)は、そのプロポーション(サイズや重さ)
などによって決まります。
一般に重心が低いほど倒れにくいはずですが、実際には建物の構造や階数、
置かれた部屋の状況、床材など、さまざまな条件によって違ってきます。
図は地震による家具の動き方の主なものです。
揺れ方も多種多様ですので、家具がどのような動き方をするのかは、
全く想定できません。
一般に、地震で大きく揺れても、家具が動かないようにするには
対抗する大きな力が必要です。
たとえば、家具上部で支える場合、家具重量の1/2の力が必要となります。
家具の重さは、
90cmの書棚でも150~200kg、
アップライトピアノは200~250kg、
なかなかの重さなのです(それが動くなんて。)。
地震に備えて、家具は建物本体に、しっかり固定させておきたいものです。
【家具を固定できる壁、できない壁】
家具を固定するためには、壁の中の縦桟等に金物などをしっかりとりつけます。
ご存知のように、現在さまざまな工法によりより家が建っていて、
壁の仕様もいろいろです。
壁の種類が不明な場合には、工務店など専門家に相談することを
おすすめします。
現在の住居は洋室が多く、
壁内部に柱などの構造材を隠してしまう(大壁といいます)ことが多いので、
どこを目当てに固定じたらよいか分かりにくくなっています。
壁をたたいて音を確かめたり、ホームセンターなどで市販されている
桟を見つげるためのセンサ 一等の方法があります。
固定のための金具には、L型金物と木ネジを使用します。
壁材を通して桟まで届く長さのネジが必要です。
参考資料
長野県防災ハンドブック
http://www.pref.nagano.lg.jp/bosai/kurashi/shobo/bosai/bosai/handbook/documents/handbook.pdf
関西設計者会議緊急公開シンポジウム
「インテリアの耐震安全性」
https://city.shiroi.chiba.jp/iexcms/files/article/1361/20120124152230.pdf
総務省消防庁防災マニュアル
http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/pre/preparation121.html