インタビュー「ギャッベ108の暮らし」長野市Mさん(2)

4回にわたってお届けしている長野市Mさんのインタビュー。

第1回はこちら

今回は建築家であるMさんの視点からおはなしが広がります。
引き続きお楽しみください。

絨毯を敬遠していたのが嘘のよう。
いまでは五感を刺激するギャッベのとりこに

ご主人 設計を担当したお客さまにも、松葉屋さんのギャッベをもっと早く知っていたらすすめていたかもしれないね。ベースが床材なら好きにアレンジができるし、生活の幅も広がりますと。その人にあった住まい作りができるという提案ができましたよね。あの頃は畳かフローリングが好まれていて、絨毯はダニが付くという理由で敬遠されてた時代だったんですよ。

佳子 そうですね、ありましたね。

ご主人 絨毯は毛の間に埃が入って汚れが取りにくいからダニの住処になるよって言われていたけれど、実際はそうじゃないよね。

佳子 松葉屋のギャッベは糸をぎゅっと織り詰めているので、表面に埃がふわっと乗るだけなんです。さっと掃除していただければ落とせるし、ダニも出ず刺されることもありません。よそのギャッベだと織りがゆるいものがあるので、ダニの温床になる可能性はあります。

ご主人 あと、いろいろこぼしても染みこまない。天然のウールってすごいですよね。お醤油をこぼして染みになっているところも、洗剤は不要で水で拭けば取れちゃうんです。

佳子 ありがとうございます。天然のウールは浄化作用もあるんです。いろいろな面で安心してお使いいただけます。

ご主人 以前は何かあると心配したけれど、いまはもう何をこぼしても大丈夫だって思える。

奥さま 以前だとこぼすとガッカリしていたと思うんだよね。

ご主人 そうそう。今はもう、どうぞご自由にって思える。まさに住まいの一部になってきてます。

奥さま そういえば匂いも気にならないね。

ご主人 湿度の高いときは少し感じることもあるけど、ほぼないね。

佳子 そうですよね。私たちの生活に寄り添ってくれて、暮らしを支えてくれてることを感じられるんです。だからますますギャッベを好きになって、家族が増えていくような。

ご主人 あっという間に増えたね。そうそう、ギャッベは五感を刺激します。パキスタン絨毯はデザインがとうるさかったけど、ギャッベは落ち着くねって。

佳子 織り子さんたちが「このギャッベで家族が幸せになるように」と思いを込めて織ってるからですね。模様にもそれぞれ意味があるんです。

奥さま ありがたいね、こんなふうに出合わせてもらって。

佳子 織り子さんたちは大自然の中で暮らしてるからか、完成するものはどれも素朴感がある。自然の中には直線ってないから、ギャッベの線も自然と曲がっているのかも。もし私が作ったら、あんなふうに線を自然に曲げられない。そのほうが味があると分かっていても。

ご主人 わざと曲げているわけではないよね。日本人が作って、わざと曲げようとしたなら分かっちゃうと思うし、嫌味になっちゃいますよね。

佳子 織り子さんの手が動くままに、自然に作られる。

ご主人 なっちゃったっていう感じが。

佳子 子どもの絵の感覚ですよね。

ご主人 そうです、ほんとに。自由な発想。それが生活に近いのかもしれないね。彼らの生活にギャッベはとても密着している。羊の毛を刈り取って、身近なもので染めて織っていく。ゴツゴツした石のある上に敷いて座ったり、持ち運びも丸めることができて楽。汚れは付かないし、燃えない。濡れてもはじく。

奥さま すごいね。

〈次回につづく〉

タイトルとURLをコピーしました