こんにちは、スタッフの池田です。
オーダーの家具屋さん
と聞いて
ピンと来る方はそんなに多くないと思います。
ほとんどのものが既製品で
すでに何台か作られているものの中から
買うことの方が多い世の中です。
そんな中で
ひとつひとつ、希望を聞きながら作るオーダー家具は
ちょっとめずらしいかもしれません。
松葉屋にオーダー家具のご相談に来てくださる方は
何かいいものはないかな?
と自分のイメージに合うものを探して、探して、
いろいろなお店を見に行ったり、インターネットで検索した画像を見たり
色々な手段で頭の中でシュミレーションをして
それでもやっぱり
「これだ!」というものに出会えずに
最後の手段のように来られる方もいます。
オーダーは高いでしょう?
と聞かれることがよくあります。
そうですね、量産品よりもやっぱり高くなると思います。
「量産品」は一度にたくさん作るので
価格が抑えられる。という利点がありますね。
「オーダー」は1つずつ希望を聞いて作るので
同じものを作ることはなく、出来上がるのはひとつだけ。
「量産品」と「オーダー」の価格の差は
一つの商品にかかる時間の差ということが
大きく関わってくると思います。
同じ形の商品でも
ひとつだけ作るのと
何個か同時に作るのでは
材料の取り方から変わってきます。
同じ形を何個も作れるようにしていることで
より効率的に、無駄なく作業ができます。
そのおかげで、制作時間を短縮することができるので
価格も抑えられるという側面も。
ひとつだけ作ると
そのために図面を引いて、型を起こして
材料をとって・・・
出来上がるのはひとつなので
製作にかかった時間を
個数で割って比べると一目瞭然ですね。
タクシーに1人で乗るのと
3人で乗って割り勘にするのと
1人あたりの支払い金額が違うのとちょっと似ています。
どういうものを選ぶかは
自分が探しているものにぴったりのものがあれば
それを選ぶのだと思いますが
どうしても行かなきゃいけないところが
タクシーでしか行けないなら
一人でも行くしかないし。。。
というところで
オーダーが選択されることもあると思います。
何時間でも歩いてOKという人なら
自分で作っちゃうという手もあるかもしれませんが。
それはまた別の話ですね。余談でした。
たくさん作られているものは
たくさんの人に受け入れられるデザインが考えつくされていると思います。
素晴らしいものがたくさんあるので、一度にたくさんの人の
暮らしが豊かになっています。
一つしか作られないものも
より痒いところに手が届くように、個人的な使いやすさやデザインを求めて考えつくします。
どちらも、使い手のことを考えて作られていますが
対象が大勢か個人か
というところで
ひとつの物が持つ「時間」が違うんですね。
そんなことを
先日から革の職人さんや
刺繍の作家さんと
しみじみと
「時間」だよね。
と話していたので、ちょっとまとめてみました。
今も、オーダーで
デスクや
ベンチの下に収納のついたもの
キッチン収納
姿見
ベッド
など、ご相談をいただいています。
みなさん打ち合わせを重ねて
自分だけの使いやすさに向き合って
一緒に家具づくりをしてくださっています。
その時間も家具づくりの大切な時間として
出来上がった物の中に残っていくと思います。
写真は、オーダーのキッチン収納・クルミの木で作りました。