「一生使える学習机」十二の想い(1/12)

こんばんは。100年家具店主、松葉屋善五郎です。

先輩お母さんたちに訊ねてわかったのは「多くの学習机がゴミになってしまっている」ということでした。

残念な事実を知った僕は、改めて松葉屋としてつくるべきものを作りたいと思い、「一生使える学習机って何だろう?」とずっと考えてきました。そうして巡らせた考えを、自分自身の子育ての確認のために書いたとも言える「十二の想い」にまとめて書き綴っていきます。

前回のブログ「一生使える学習机」十二の想い(0/12)に引き続き、今回は1/12章の話です。

「一生使える学習机って何だろう」 自ら学習机を作った老舗家具店店主の十二の想い 松葉屋家具店 七代目店主 滝澤善五郎

 

第一章 私が家具店を継いだ理由

私は、長野市の善光寺門前にある、小さな家具店の店主です。まず、学習机のことをお話しする前に、私のことをお話しさせてください。

目次

一、大門町の松葉屋家具店+くらし道具学研究所 二、松葉屋家具店+くらし道具研究所が売っているもの 三、松葉屋家具店+くらし道具学研究所が守っていること

 

一、大門町の松葉屋家具店+くらし道具学研究所

松葉屋家具店の創業は1833年です。私が七代目で、善五郎という名前は店主が代々襲名してきた名前です。
私は小学校へ入る前から絵を習い始め、途中やめた時期もありましたが、高校卒業まで続けていました。大学は美大の工芸デザイン科を卒業しましたが、その頃は家業を継ぐつもりは全くなく、木工作家を志望していました。
しかしそんな頃、早くに他界していた父に代わり、店の切り盛りをしていた母が病気で亡くなってしまったため、私が家業を継ぐことになりました。
泣く泣く帰った実家でしたが、生まれ育った善光寺門前や家具は大好きでした。商売は山あり谷ありで、決して楽ではありませんでしたが、今では松葉屋の仕事が天職だと思っています。

(昭和2年の松葉屋の様子)

二、松葉屋家具店+くらし道具研究所が売っているもの

私たちのお店は、小さなお店です。売っているものは自然素材のオーダー家具、一枚板のテーブル、木の椅子、昔なつかしい卓袱台。古いタンスのお直しもやっています。数年前からペルシャの遊牧民の手織りじゅうたんのギャッベも売るようになりました。
私たちの仕事は、「安心できる暮らしの道具とは何か」を考え、それを販売していくことです。

三、松葉屋家具店+くらし道具学研究所が守っていること

私たちが徹底して守っているのは次の三つのことだけです。
1、化学物質を極力無くし、使う人の体や環境に負担をかけない、自然素材でつくられたものであること。
2、何世代にも渡って永く愛着をもって使い続けられるものであること。
3、製作過程で、環境への負担がないこと。また、作り手にとっても健康的負担がないこと。

私が自然素材にこだわる理由は次の章でお話しします。


「木の机とテーブル展」を開催します。 11月23日〜2月12日(月)

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