こんばんは。100年家具店主、松葉屋善五郎です。
突然ですが、あなたが子どもの頃使っていた学習机は、今どこにありますか?
気になった僕は、多くの先輩お母さんたちに尋ねてみました。
すると、
多くの学習机は、十年を過ぎると家の中の邪魔者になってしまっている、という事実を知りました。
残念な事実です。とはいえ、僕の机も実家の建て替えと引越しで、今はもうありません。
生活や子どもの成長で、使い方も、好み、生活スタイルも変わっていきます。
その結果、何人かのお母さんは、「邪魔になる家具No.1は、学習机だ」とも言っていました。
学習机を、後生大事に使い続けているという話は、残念ながら聞いた事がありません。
結局はゴミになっていく運命なのでした。
そこで、僕は思いました。「一生使える学習机」をつくれないだろうか、と。
長い間ずっと考えてきました。少しずつ、少しずつ、つくりたい学習机を想像しながら、
細かなデザイン、素材、塗料、仕上げ、作り方など
を思い描いてきました。
それが、松葉屋の「一生使える学習机」です。
この学習机をつくったのには、僕の「十二の想い」があります。
みなさんに読んでもらうには、少々、長くて、気の折れるものかもしれません。
しかし、気になった時に、何度でも読み返して、じっくり考えてみていただけるきっかけになるように。
「一生使える学習机 十二の想い」を書き綴っていきますね。
子育て真っ最中のお母さんへ
「一生使える学習机って何だろう」
自ら学習机を作った老舗家具店店主の十二の想い
松葉屋家具店 七代目店主 滝澤善五郎
はじめに 「どうしてこの文章を書いたのか」
私には五人の子どもがいます。上の子はもう成人していますが、下の子はまだ中学生です。五人の子育てをしながら、急に愛しくなって抱きしめたり、些細なことで感情的に叱ってしまったり「こんな事じゃあいけない」と、いつも矛盾を感じています。
ここには学習机について私の想いを書いていきますが、正直に言うと、“これまでの自分自身の子育ての確認のために書いた”というのが真相です。
あなたは「入学前の子どもに、本物を与えても、どうせ汚すし、乱暴に使って傷つけるからもったいない、わかりはしない」とお考えではないでしょうか。
私も以前は、そう考えていました。
でも、
五人の子育ての経験から、それは逆ではないかと、今は思います。
子どもは自然です。子どもは体いっぱいに感じ、笑い、泣き、怒ります。繊細で感受性豊かな子どもの時にこそ、「本物」に触れるべきではないでしょうか。
そのことを、子育て真っ最中のあなたが、考えるきっかけになってくれればと思っています。
「なぜ私が学習机を作ったのか?」あなたが使っていた学習机は今どうなっていますか。
多くの学習机は、十年を過ぎると家の中の邪魔者になってしまいます。何人かのお母さんが、邪魔になる家具No.1は学習机だと言っていました。学習机を、後生まで大事に使い続けているという話は、残念ながら今まで聞いた事がありません。結局はゴミになっていく運命です。
なぜそんな学習机を売るのか?
なぜそんな学習机を買うのか?
私は、そんな疑問を長い間持ち続けていました。
そして、私が自ら学習机をつくったのは、その疑問に答えるためでした。
次回、第1章に続きます。
私がここに至るまでの経緯をお話ししたいと思います。
松葉屋では、11月23日(木)〜2月12日(月)まで
「木の机とテーブル展」を開催します。