壁一面書棚のオーダー家具のご相談をいただきました。
松葉屋家具店+くらし道具学研究所の「造り付けの家具」に対する考えは
リフォームや、建て直し時を考慮して、
「置き家具」をすすめています。
見た目はほとんど造り付けの家具と同じなんですけどね。
「置き家具」というと誤解があるかもしれません。
正確には置き家具として見えない部分まで無垢材を使い、
美しく仕上げ、
空間の隙間にすっぽりと収まるよう
制作しています。
ちなみに
造り付け家具とは
建築に埋め込むようなイメージで、
空間の隙間部分にすっぽりと収まる家具のこと。建物の一部として造り付ける家具。
はめ込み式家具。取り付け家具。備え付け家具。据付家具、
住設家具。英語ではフィクスチャー(fixture)。壁や天井、或いは床にしっかりとビスなどで固定しているのが特徴で、
室内側から見える部分はきちんと仕上がっていますが、
固定された背面や裏面は仕上がっていません。
それ単体では自立しないのが造り付け家具なんですね。
それに対して置き家具とは
リビングのソファーやダイニングのテーブル、いす類や
コンソールテーブルなどです。
家具屋で購入して部屋に置くだけで、
お引越しの際には持ち運ぶことができる家具類です。
どこにでも置けるので、どの面から見てもきれいに仕上がっています。
どういうこと?
作り付け家具は、壁や床にビスや木ネジで固定してしまうため、
取り替えがききません。
つまり壁面に据え付けてしまうと、リフォームや建て直しのときに
据え付けの家具を、壊さなくてはいけないことが多いということ。
それは100年オーダー家具屋としては不本意です。
だから、見えないところ、裏板なども無垢材で制作し、
何十年か先のためにきっちり
仕上げておくのです。
でも空間や収納が有効に使えるよう、
造り付け家具のように収まり良く制作します。
見えない部分まで無垢材を使い、
美しく仕上げることは無駄でしょうか?
そんな想いも込めて、オーダー家具 書棚の図面を4枚ご提案します。