こんにちは、スタッフの池田です。
前回の投稿から少し間があいてしまいましたが
昨年、スタッフ全員で体験した
「金継」の続きをご報告します!
Vol.2では、割れてしまった器をまずくっつけたところまで
ご紹介しましたが、今回はその後
くっつけた漆がかたまり、欠けたりしたところをさらに
なめらかに整えていくための
「肉盛り」についてご紹介します。
前回からおよそ1ヶ月後の漆が固まったころ
続きの作業をするために伺いました。
久しぶりに見る器は、漆が塗られた部分が黒く完全に固まっていました。
今回はこの欠けたところへ肉盛りをしていきます。
まずは欠けたところへ塗る「地サビ」をつくります。
砥の粉をヘラでつぶつぶが無くなるまでつぶしていきます。
その後、なめらかになった砥の粉に水を吹きかけ
耳たぶくらいの硬さまで練ります。
できたら、半量ずつに分けておきます。
半量はこの後の地サビづくりに使い、もう半量は後の「サビ漆」づくりに使います。
よく練った砥の粉(半量)の隣に
砥の粉の1.5倍の生漆を出し、少しずつ砥の粉と練り混ぜます。
その後、少しずつ地の粉を加え、更に練り混ぜる。
分量はボソボソにならずにしっとりとのびる程度を目安に。
これで地サビが出来上がりました。
続いて、地サビよりも漆の分量が少し多い
「サビ漆」をつくります。
地サビをつくるときに残しておいた、水と練った砥の粉を使います。
この砥の粉に同量の生漆を、なるべく手早く、まんべんなく練り混ぜる。
いよいよ欠けた部分に肉盛りをしていきます。
深い欠けの部分には地サビを、浅い欠けにはサビ漆を塗ります。
前回、漆を塗った部分を400番の紙ヤスリで軽くこすります。
竹串を使って、欠けた部分に地サビ、もしくはサビ漆を
少しずつ、乗せるように伸ばしながら塗ります。
このとき表面はできるだけなめらかになるようにしておくと
後々の作業が楽に、仕上がりも美しくなります。
深い欠けの部分井は、地サビを一度にたくさん塗ってしまうと弱くなるので
地サビは2〜3㎜程度にして、まず乾燥させ
乾いたところへまた肉盛りをして、器から盛り上がるくらいまで
肉盛りが進んだところで最後はサビ漆を塗る。
浅い欠けは、サビ漆が器よりも少し盛り上がるくらいに盛る。
(乾くと少しやせるので。)
以上が、肉盛りの行程です。
作業後は室に入れ、1週間から2週間ほど乾燥させて
次の行程へ進みます。