松葉屋のちいさな森の報告書「アメリカヤマゴボウ」

松葉屋のちいさな森。
毎朝掃除のために通るたび、昨日と違う顔を見せてくれます。

こんなところに草は生えていなかったのに。そんな名も無い草花を紹介していきます。

「アメリカヤマゴボウ」


アメリカヤマゴボウは、日本に明治時代に渡来した植物。赤紫の茎と白い花が
特徴的で、晩春から秋にかけて美しい花を咲かせます。
一見すると美しいだけの植物のように思えますが、意外な事実や注意点が。
一般的には雑草とみなされることが多いですが、その実は鳥たちを引きつける
魅力があり、バードウォッチング愛好者の間で栽培されることもあるとか。

こいつは有毒植物

しかしながらこいつは有毒植物です。
特に根や種子は、人間にとっても多くの動物にとっても非常に危険です。
毒の成分「トリテルペノイドサポニン」は、特に子どもたちにとって危険。
この植物の果物を食べることで中毒の危険があります。
その影響は、嘔吐や下痢から重度の腸疾患、場合によっては死に至ることも
あるといいます。

 

くわえてアメリカヤマゴボウのような有毒植物では、樹液に有毒成分が含まれて
いることがあり、
皮膚に触れると皮膚炎などの反応を引き起こす可能性があります。
先日草刈り機で作業中、アメリカヤマゴボウの茎から盛大に水分がはね飛び、
右目に入ってしまいました。
おいおい、それを知っていたら水で洗い流すなりしたのに…

ところが「実」を食べることができる野鳥もいるとか。考えられません。
仕掛けは、どうやら果実だけ毒性が少ないようです。
種子を散布してもらうためには、果肉が有毒では望ましくないですものね。
朝、松葉屋のちいさな森でアメリカヤマゴボウを囲むスズメの群れに出会いました。
彼らはチュンチュン鳴きながら、羽繕いをしたり、実らしきものを採食していました。

アメリカヤマゴボウの果実は、熟すと真っ黒になり、その時の実の柄は真っ赤に
変わると言われています。
この色の濃淡が鳥を引き寄せる役割を果たしているのかもしれません。
人間だって毒がなければ食べたい。いかにも食欲がわきますよね。

驚くことにはヨーロッパで赤ワインやお菓子の着色料として使われていた時期もあったとか。

 

雑草としての除去方法

この植物は繁殖力が強く、除去が難しい。
切っても切ってもどこからか生えてくる。開花や結実前が除去の最適な時期です。
マルチングや草むしり、草刈り、すき起しなど、様々な方法で除去することができますが、
除草する際にはアレルギーに注意し、手袋やマスクの着用、ご注意ください。

ちなみに松葉屋のちいさな森では「雑草という名の草はない」を建前に、
どうぞ好きなだけ生えて大きくなってもらっています。

 

ちなみにマルチングとは?
土の表面に植物の残りかすや木のチップ、藁、葉、コンポストなどの有機物質を敷き詰める
農業や園芸の技法のことをいいます。

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