ギャッベを選んだ妻・よしこの話

こんにちは。松葉屋善五郎です。
松葉屋で、ゾランヴァリ社のアートギャッベを紹介させていただくようになってから、10年ほど。

春と秋、1年にたった2回のアートギャッベ展。

これまでに幾度となく、
妻のよしことギャッベのことを話してきました。

次はどんなギャッベと出会えるかなあとワクワクしている分、
選定をするときは、みなさんと同じくらい、「このギャッベ、家に似合うかなあ?」と、たくさん悩みます。

次の会期は、どんな風に紹介できるだろうか?
お手入れのことや、ゾランヴァリ社のことをどうやって伝えたらいいかな?と
一年中、ギャッベのことを考えているかもしれません。

そんな僕たちですが、妻のよしこが、
ギャッベのこと、暮らしのこと、松葉屋でのことを
書いてくれた文章があります。

今回は、そんなお話をご紹介します。


 

よしこの話

 

松葉屋にこられた方に、見て触れて、時には寝転んでもらいながら、私はいろいろなお話をさせていただきます。お互い時間のたつのを忘れて1時間、時には3時間がたっている、なんてこともたまにあります。

松葉屋2階の空間は、ギャッベと初対面のトキメキと、その魅力を味わう、ゆったりとした時間がながれています。そこで私がどんな話をしているか、かいつまんでお話します。

なつかしいような、ずっとここにいたくなるような場所がありますか?

こどもの頃、山と海と温泉が好きな父につれられて、夏と冬の家族旅行は、伊豆や志賀高原によく行っていました。
そんなある夏の日の、忘れられない山の景色があります。奥志賀の急なカーブの山道をぐんぐん登ってひと休みした時のこと。
車をおりて私は一人、なんとなく心惹かれて、木々の小道を歩いていきました。すると目の前に現れたのは、小高い丘の広がる草原。見あげると、丘と空の境界線が続いています。

夏山の気持ちのいい風と、キラキラ白く光る青い草のにおい。それはどこまでも続き、森へとつながっていました。
今までのことすべてを忘れて、何かの歌を口ずさみながら、丘をかけあがったのを覚えています。草に座りこんだら、あんまり気持ちよくて、ずっとここにいたかった。時間が止まってほしかった。でも、ふと「お母さんが心配してる……」とわれにかえり、家族のところに戻りました。

あれはどこの場所だったのか、少女の頃の記憶なので、何にも覚えてはいません。でも、確かにあったあの場所は、なんどもなんども思い出したり、思うと切なくて胸がしめつけられるような、なつかしいような気持ちになるのはなぜだろう。同じような場所をみると、いつも同じ気持ちになる不思議。

この夏、ドレミの草原を探しに行こう。山のふもとの市場でとれたてのトマトを買って、ピクニックに出かけよう。家族で歌を歌いながら。そしたら憧れのサウンド・オブ・ミュージックをそっくり体験できる!

わざわざヨーロッパに行かなくても、日本は海と山と森の国。
山で歌うなんてなんかとても恥ずかしい気もするけど、歌いたい。思いきり歌ったらきっと、開放感と爽快感と達成感と、感じたことのない未知の快感を味わえるような気がする。
歌うことが大好きなわが家の子どもたちをつれて、行ってみよう。あの山へ。私が少女の頃に見つけたあの草原を探しに。

もっというと、山に行かなくても、すんでる町が森になったらいい。

たっぷりと朝日のあたる小さな森は、山の憧れを体験できる場所。
いつか東屋を建てて、季節のおいしいものと温かい飲みものとデザートをいただきながら、誰かが奏でる楽器にあわせて歌ったり踊ったりできる、そんな場所。来てくださった人たちにも私たちにとっても心からくつろげて、ずっとここにいたくなる、ここでしか味わえない、胸の高まりを抑えられないような、ときめく居場所づくりをしていけたらなあと思います。

とは言っても一番は、今まで庭のなかった滝澤家が、この小さな森で焚き火をしたり、ギャッベをしいて、木の下でご飯を食べたり体操したり。家族でのんびり過ごせることが、まずは何よりとても楽しみなんです。
そして、子どもたちが大人になったとき、なつかしみつつ、ずっと守り続けてくれるような、そんな場所になってくれたら、と願っています。

滝澤佳子


 

「大地と空、火と草色のじゅうたん展」 
2018年4月21日~5月6日 

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