こんばんは!
100年オーダー家具店主、善五郎です。
今回は木材の基礎知識2回「樹木の成長と木材の各部の名称」です。
ちょっと小難しい内容ですが、本当の基本ですから
ついてきてくださいね。
家具屋や家具職人さんより木に詳しくなれますよ。
● 樹木の成長
地上に落ちた樹の種は、土中で芽を出し活発な細胞分裂を
繰り返します。
土の上には幹を伸ばし、土中には根を張っていきます。
根は土中から栄養素と水分を吸収し、幹へと送り、
葉を広げます。日光を受けた葉は葉緑素の働きで光合成を行い、
生育に必要な糖や澱粉を作ります。
こうしてできた成分は樹皮の内側の組織を通って下へ降りながら、
新しい細胞を樹皮にも幹にも増やしていきます。
このような繰り返しで樹木は徐々に大きくなっていくのです。
この、重要な働きをする部分は『形成層』と呼ばれますが、
滋養成分を多く含んでいるため、動物に食べられることが多く、
樹皮が柔らかいうちに被害を受けると幹の成長が悪くなり、
幹の全周を食べられてしまうと樹木は枯れてしまいます。
こうした食害は年々深刻な状況になっていますが、
背景には、気候や開発による動植物の生息分布の変化などの
さまざまな要素があり、大きな視野で考えていかなくてはいけない問題です。
● 木材の各部の名称
私たちが普段考える木の部分といえば『根・幹・枝・葉』ですが、
このうち木材として一般に利用されているのは幹の部分で、
樹幹ともいいます。
枝や葉、根を取り去ったものを丸太といっています。
幹を横に切った断面(木口/コグチ)を観察すると、樹皮に近い部分の色は淡く、
その内側は色が濃くなっています。
この色の淡い部分を辺材または白太と呼び、濃い部分を心材または赤太といって、
利用上区別して扱います。
また樹幹は、根に近い太い方を元口といい、梢に近い細い方を末口と呼びます。
日本建築で床柱等によく使われる磨き丸太というのは、樹の成長期に枝打ちをし、
節ができないようにしたものをヘラで樹皮をはがして、夏の日にさらし磨きあげた、
特有の光沢が美しい材です。
京都の北山杉は桂離宮にも使用されており、特に有名です。
読んでいて、眠くなっちゃいましたね。
次回は各部の特性についてになります。
お楽しみに!
質問がありましたら、どんどんお寄せください。