
「この柄には、どんな意味があるんですか」
お店で、よく聞かれます。
善光寺の表参道で家具店をしている、松葉屋家具店の九代目、滝澤善五郎です。
ギャッベの柄(文様や模様)には、たくさんのパターンがあります。一つずつ説明するのは、けっこう難しい。見ても何の形か分からないものも、多いんです。
まず、お伝えしていること
だから、まずはこうお伝えしています。
遊牧民の織り子さんが、自分も含めた家族が、幸せで、安全で、安心して暮らせるように。
その願いを込めて、織っている。
健康や長寿、厄除け、家族の象徴。柄のほとんどは、そういうものです。
生命の木(生命の樹)
健康や長寿、成長を願う柄です。
生命の木のことは、2023年の記事にも書いています(ギャッベの文様・生命の樹)。
ヤギや鹿

家庭円満の象徴です。
羊やヤギは、遊牧民にいちばん身近な動物。家族と同じように、大切にされています。
菱形や、鍵のような形

魔除け、厄除けです。
本によると、横向きのSのような形は「ケルマック」と呼ばれ、小さな虫を意味します。それを織り込んで、邪悪なものが入ってこないようにする。これも魔除けです。
小さな四角と、大きな四角
小さな四角は、井戸。水が絶えないように、という願いです。
大きな四角は、窓。暮らしの中に幸せを呼び込んで、災いや嫌なものを、外へ追い出してくれる。
人、星、花畑

人の姿は、子孫繁栄の願い。子どもの姿なら、誕生のお祝いや、子どもの健康への願いです。
星は、愛情や、願いがかなうこと。花畑は、明るさや、あこがれ。
本と、目の前の一枚を見比べながら
お店には、ギャッベの本も置いてあります。それを一緒に見ていただきながら、目の前の一枚と照らし合わせて、お話ししています。
ただ、柄の意味は、本によって少しずつ違います。ギャッベには、確かな記録がほとんど残っていないんです。
ここに書いたのも、松葉屋のお店でお伝えしていることです。
柄のないギャッベにも

ギャッベは、具象でも抽象でも、遊牧民の皆さんが子どもの頃からずっと見て暮らしてきた風景を描いているものに違いない、と僕は思っています。

柄のない、色のグラデーションだけの一枚を見ていても、
「ああ、やっぱりこれは、遊牧民たちが暮らしているザグロスの風景だな」
と、僕は感じます。
長野市大門町45、善光寺の表参道。定休日は火曜と水曜です。


