スタッフの池田です。
ギャッベというと、はっきりとした赤・緑・青・黄色などで
柄も鹿や生命の木、四角の窓など
代表的なものを思い浮かべる方が多いと思います。
そんな中、松葉屋には
「はっきり」という言葉とは対照的な
「儚い」色や柄のものがやってきます。
そうしたギャッベは決まって糸目が細かく繊細で
手触りも上質なものが多いのです。
こちらの黄色いギャッベ。
光の当たり方によってはまぶしいくらいに金色に輝きます。
黄色い色でも深い色から白に近い明るい黄色までを織り込み
とっても繊細な色使いをされています。
とても微妙な色で柄も織り込まれています。
茶色や青で点々で描かれた柄は
魔除けを意味するひし形。
うっすらと描かれた模様は地の色を生かしたとてもおしゃれなものです。
こちらの原毛の優しい色合いのギャッベも
全体に淡い色で、そこに描かれた小花や木の柄に使われている色が
とてもきれいな色をしています。
珊瑚色、山吹色、若草色、瑠璃色・・・
和名が合いそうな色合いです。
糸杉をモチーフにされているのですが
色のはっきりしているところからふと視線を内側にうつすと・・・・
うっすらと、木を形どるようにベージュの淡い線が見えます。
見つけた時はびっくりしました。
どうしてこんなにも微妙な色合いにしたんだろうと。
ベージュの線はとてもツヤのあるきれいな色の糸を使っています。
この糸の色を見つけてから
改めて全体を見渡してみると
中心から枝を伸ばす線が見え、
ギャッベ全体に大きな木が描かれている事に気づきました。
でも残念な事に、その様子を言葉や写真で説明するのは
これが限界です。
この素敵な色は、ぜひ自然光のもとで肉眼で見ていただきたいです。
儚いギャッベ。
どんな想いでこの色使い、柄にしたのかと
ぼーっと眺めて引き込まれる素敵なギャッベです。